気がつけば『汎人類史』と呼びうる分岐がどこか余所に生じて、我々は置き去りにされているかもしれない。

Lostbelt No.3 人智統合真国 シン

ダ・ヴィンチ「たしかに平穏な世界だった。

我々が干渉しない限り、誰一人として不幸を自覚する人はいなかったかもしれない。

でもね。

完璧すぎる平穏は、終着と同然なんだ。

それもまた袋小路という点では、他の剪定事象と変わらない。」

マシュ「…はい。

結末だけを見ればそう判断するしかないと。

でも…

秦良玉さんも言ってました。

あの秦帝国が、理想のために戦い、血を流し、そうして摘み取った成果だったと。

なら、わたしたちの戦いも、同じように否定される日が来るのかもしれないと、そんな風に思ってしまって…」

ダ・ヴィンチ「有り得ない、とは言わないよ。

剪定事象は誰かの悪意や過失がもたらすものじゃない。

ただ、そうなってしまったという結果だけが全てだ。

私たちだって、どんなに理想を信じて懸命に戦い続けようと…

気がつけば『汎人類史』と呼びうる分岐がどこか余所に生じて、我々は置き去りにされているかもしれない。

そのときは…

あの始皇帝のような決断を下せる勇気が、我々にもまた備わっていることを祈ろう。」

ホームズ「『可能性は無限だ』と人は祝福の如く口にする。

その意味するところに陥穽があるのを、気付こうともしないで。

いかに可能性だけが数限りなくあったとしても、あくまで結果は有限なんだ。

選択肢の多様性は、いずれ後から来る淘汰の圧を増す。」

マシュ「…難しい、とても難しい問題です。

わたしたちは…

どこまで賢くなれば、迷うことなく正解を見つけられるのでしょう?」

ホームズ「もしそれが叶う時が来たら、我々は人を辞めて神にでもなっているんだろう。

人が人である限り…

答えは、手探りで探すしかない。

『無限の可能性』の中から、ね。」