土台と矢を繋ぐ。 おもいっきり矢を放つ。 矢、20キロ先まで飛ぶ。 一緒に土台も飛ぶ。 な? 簡単だろ?

第六特異点 神聖円卓領域 キャメロット

アーラシュ「いやあ、一度だけ、かつ片道でいいのなら、空を飛んで一気に移動する事はできるぞ!

ただしそれなりのリスクはある。

一気に西の村までは届かないが、それでもいいか?」

「かまわない、今すぐ行こう!」

呪腕「……藤丸殿……」

アーラシュ「よし。

なら強襲するメンバーを決めろ。

俺は当然として、藤丸とマシュ。

騎士の兄さんはどうする?

相手は円卓だぞ?

いけるか?」

ベディ「お気遣い、感謝します。

ですが無用です。

私は獅子王の騎士ではありません。」

アーラシュ「よく言った。

移動するぞ、ついてこい!

そこに潰れた家の屋根を粘土で補強した土台がある。

よく見てみろ。

取っ手が付いているな?」

マシュ「あ……

付いていますね。

よく見るとカカトまで入る穴もあります。」

ベディ「この取っ手を掴んで、穴に足を入れる……

四つん這いに近い体勢になってしまいますが……」

アーラシュ「無駄口は後だ、しっかり掴んでろ!

藤丸はマシュの隣だ。

マシュ、しっかりマスターを掴んでろよ。

時速300キロ以上はでるからな。」

マシュ「え……

あの、アーラシュ・カマンガー。

何を……

しているのですか?」

アーラシュ「何って、土台に縄を張って固定、そのまま特大の矢に繋いでいる。

よし、準備はできた。

角度はこんなところか。

今日は追い風だ。

西の村の手前までは飛ばせるぞ!」

ベディ「まさか……

そんな……」

マシュ「ええ、そうですよね。

笑い話ではありませんし。

そんな、まさか。」

アーラシュ「阿呆、笑い話で済まされるか!

命懸けの、酒盛りの時の定番ネタだぞ!

土台と矢を繋ぐ。

おもいっきり矢を放つ。

矢、20キロ先まで飛ぶ。

一緒に土台も飛ぶ。

な?

簡単だろ?」

「馬鹿だこの人ーーー!」

アーラシュ「馬鹿はそっちだ!

舌を噛むぞ、真面目にやれ!」

マシュ「な——

アーラシュさん、射撃体勢に入っています!

本気です、この方!

そもそもそんな方法で飛行するなんて、できるハズがありません!」

ロマニ「いやぁ、これができるんだなぁ。

サーヴァントの宝具に物理法則は通用しないし。

だいたい、たかだか10や20キロの距離、彼にとっては準備運動みたいなもんだよ。」

アーラシュ「お、言ってくれるねぇ兄さん!

任せな、いい着地地点も見えたからな!」

マシュ「それは着地ではなく落下地点と——

マスター、しっかり掴まってください!」

(大きな発射音)

「ホントに飛んでるー!? これが宝具・人間大砲……!」

マシュ「あああああああああーーーーーー!

きゃあああーーーーーーーーー!」

ベディ「だだだだだだだだだいじょうぶですかレレレレレレレレレディ、みなささささささささささん!」

ロマニ「あはは。

見てごらん藤丸君。

ベディヴィエールのほっぺたが気流でぶるぶるしてるぞ!」

マシュ「ドーークーーターー!

べべべべべディ卿にしつれれれれれれれれれれい!」

アーラシュ「そろそろか。

総員、着地の衝撃に備えろ!

激突した瞬間、土台は木っ端微塵だからな!

各々いい感じで受け身をとれ!

マシュ、藤丸は俺が面倒を見る!

おまえさんは自分の面倒を見るだけでいい!」

マシュ「は、はい!

マスターをお願いします、アーラシュさん……!」

ベディ「ぶーつーかーりーまーすー!

に、いち、ぜろーーー!」

(大きな落下音)

アーラシュ「よし、今回は成功したな。

地面に降ろすぞ藤丸。」

「あわ、あわわわわ…………」

アーラシュ「高所でのみ有効な大陸間弾道移動……。

我ながら正確な射撃だった。

ところで、なんでこれが一度きりかと言うとだな。

たいていの奴はこれをやると、“二度とゴメンだ”と嫌がるからなんだ。」

「二度とやらないでくれ!」