人理焼却を終えた彼の王が次の段階に入る前までに、最果ての塔を開かねばならなかった。

第六特異点 神聖円卓領域 キャメロット

獅子王「そして聞け、我が騎士たちよ。

聖槍による粛正は、すべて我が意思によるもの。

これまで居住区に落とさなかった理由は明白だ。

村を焼けば反抗勢力の火は強くなる。

山の民たちの結束は強まり、聖都を侵攻する軍備の一つも整えるだろう。

それは無用である。

聖槍の準備が整うまで、下らぬ掃討戦にかまける時間はない。

だが——

聖槍は最終段階に入った。

最果ての塔は、ついに我らを迎え入れる。

……我らにとって最大の敵は時間だった。

人理焼却を終えた彼の王が次の段階に入る前までに、最果ての塔を開かねばならなかった。

そして、それはじき成ろうとしている。

もはや山の民たちの反抗など些事にすぎない。

よって、村への直接粛正を行った。

これにより反抗勢力が蜂起するのであれば、それも良い。

少数による聖都への玉砕ならば、その殲滅はガウェイン卿一騎で事足りる。

これが真意だ。

異論はあるか、サー・ランスロット。」

ランスロット「しかし……!

そうであれば粛正の必要もありますまい!

聖都の守りが完全であるのなら、無闇に彼らの命を奪う必要など……!」

トリスタン「……いえ。

それが完全ではありません。

王の御心を乱す脅威はまだ生きています。

……ランスロット卿。

私たちの失態によって、ですが。」

ガウェイン「戻ったのですねトリスタン。

……しかし、今のはどういう?」

トリスタン「……悲しい事に。

東の村は消滅しておりません。

叛逆者についていたサーヴァントによる抵抗でしょう。

あろうことか、彼らは王の光を防ぎきった。」

アグラヴェイン「聖槍の一撃を防いだ、だと!?

奴らにそんな手駒はいなかったぞ……!」

トリスタン「それがひとり、いたのです。

アーラシュ・カマンガー。

私と競り合う程の名手でした。」

モードレッド「マジかよ!

あの野郎、やるじゃねえか!」

アグラヴェイン「おまえは黙っていろモードレッド!

獅子王のお叱りを受けるぞ!」

トリスタン「……ええ、大したものです。

そして、彼はランスロット卿にお願いした相手でもある。

……私の判断の甘さもありましたが、貴方の落ち度でもあります、ランスロット。

結果、叛逆者たちは生き延び、山を去りました。

砂漠方面に向かいましたが、そこで私の弦(いと)は切れた。

おそらくオジマンディアスと手を組む腹でしょう。

……考え得るかぎり、最悪の組み合わせです。」

アグラヴェイン「なんという不手際だ……!

どう責任をとる、ランスロット!」

ランスロット「………………無論。

叛逆者を追い、これを捕らえる。

処罰はその後に。

汚名をそそいだ後、王にこの首を預けるのみ。」

アグラヴェイン「要らぬわ、たわけ!

追撃は他の者に任せる!

貴様にかける温情はない!

ガウェイン卿、ランスロットを捕らえよ!

翌朝をもってその任を解き、幽閉刑と——」

獅子王「——間に合うのか、ランスロット。

叛逆者たちの星は速く、また自由だ。

貴公にその星を捕まえられると?」

ランスロット「無論。

我が宝剣、アロンダイトにかけて。」

アグラヴェイン「王!」

獅子王「叛逆者の追撃を命じる、ランスロット。

急げよ。

王城の壁はじき現れる。

その前に戻るがいい。」

ランスロット「は!」

獅子王「そう猛るな、アグラヴェイン。

ランスロットであれば間違いはない。」

アグラヴェイン「…………そう、でしょうな。

貴方はいつも、そう信じていらした。

……出過ぎた発言でした。

お許しください、我が王よ。」