悪を成さず、悪に触れても悪を知らず、善に飽きる事なく、また善の自覚なきものたち。この清き魂を集め、固定し、資料とする。

第六特異点 神聖円卓領域 キャメロット

マシュ「獅子王、玉座から起立……!

戦闘態勢に入りました……!

マスター……!

わたしたちはどうすれば……!?」

「分からない、なんで世界を閉ざす!」

マシュ「先輩……!?」

ダヴィンチ「ひゅう、なんてクソ度胸だ!

サーヴァントではあの神格には萎縮するというのに!

でも言ってやれ言ってやれ!

それは人間であるキミにしかできない事だ!」

獅子王「……理由か。

どんな時代であれ、人間(おまえたち)はそれを聞きたがる。

私が世界を閉じるのは、人間を残す為だ。

ある者の大偉業によって、この惑星の歴史は終了する。

人理は焼却され、人類史は無に帰される。

だが、それは私の存在意義に反する。

我らは人間によって生み出されたもの。

神は人間なくして存在できない。

故におまえたちを残す。

何を犠牲にしても護る。

——これは私の意思だ。

魔術王が自由(すき)にするのなら、私も自由にすると決めた。

……そうだ。

告白しよう。

私は、ずっとそうしたかった。

おまえたちを愛している。

おまえたちが大切だ。

だから、おまえたちを失う事に耐えられない。

私は人間に永遠を与えると決めた。

後世に残すに相応しい魂たち——

悪を成さず、悪に触れても悪を知らず、善に飽きる事なく、また善の自覚なきものたち。

この清き魂を集め、固定し、資料とする。

この先、どれほどの時間が積まれようと、永遠に価値の変わらぬものとして、我が槍に収める。

それの——

何が間違っている?

私の偉業は、すべて人間の為なのに。」

「そんなの、ただの標本だ!」

獅子王「——そう思うか?

おまえはそう思うのか、盾の騎士よ。

人間は定命だが、その中でも更に定められた命を持つ者——

マシュ・キリエライト。

おまえであれば、私の理想が分かるのではないか?」

ロマニ「……!」

マシュ「それは……

…………それは。」

「マシュ……? もしかして……知ってる……?」

ロマニ「藤丸君、会話はもういい!

獅子王の精神構造は完全に神霊化している!

彼女には人間としての価値観が失われている!

話し合いではもう解決できない!

戦闘で、あの聖槍を破壊するんだ!

それでこの時代は元に戻る!」

獅子王「——短慮だな、ロマニ・アーキマン。

実に貴方らしい。

だが結論は私も同じだ。

質問には答えた。

私を否定するのなら、私もおまえたちを否定するまで。

いずれ死ぬもの。

もう死ぬもの。

命の限りを嘆くものたちよ。

その限界を知り、我が庇護を受け入れよ。

盾の騎士よ。

命を守るというのなら——

私には刃向かわない事だ。」

ダヴィンチ「来るぞ……!

マスター、戦闘準備を!

敵は獅子王アルトリア——

いや、あれはもう英霊じゃない!

名付けるのなら、そう……!

聖槍の化身、女神ロンゴミニアドだ……!」