騎士たらんとするのならば急ぐがよい。汝の最後にして唯一の澱み。告解の機会が、聖槍へに呑まれる前に。

第六特異点 神聖円卓領域 キャメロット

ガウェイン「(打ち合いをはじめて既に一時間——

一向に衰えを見せないとは……!

だが剣筋には慣れてきました。

この剣士とて不死身ではない。

必ず隙がある……!)」

山の翁「——ここまでだ。

晩鐘は過ぎ去った。」

ガウェイン「嵐が……

止んだ?

いや、止めたのか……!?」

山の翁「もはや砂塵は不要。

中天を我が衣で覆う必要なし。

この白日は獅子王の罪を照らすもの。

晩鐘は聖都へと移り行くであろう。」

ガウェイン「おごったな……!

太陽の光が戻れば、我が聖剣に敵は無い……!」

(剣戟音)

山の翁「無論、驕るであろうよ。

目覚ましにもならぬ光であれば。」

ガウェイン「なんとぉ……!?

ガラティーンを——

砂塵から解放され、中天にある私のガラティーンすら流すのか、貴公は!?

(……目が曇っていたのは私の方だ。

この剣士の力は、獅子王に匹敵する……!)

……何故です。

何故、砂嵐を止めたのです。

いえ、これだけの力を持ちながら、何故いままで沈黙していたのです……!

貴公ならば獅子王を倒す事も不可能ではない。

貴公が山の翁であれば、半年前——

我々が聖都を築いた時に、その行いを止められたでしょうに……!」

山の翁「否。

我が剣は天命を誤つ者のみに向けられる。

獅子王の天命は我にあらず、あの者たちである。

なれば我が剣、不要なり。」

ガウェイン「天命を……

誤つ者……」

山の翁「太陽の騎士よ。

汝はその剣で自らの潔白を証明した。

晩鐘が遠く過ぎ去ったのがその証。

——汝の天命はあの城に移った。

騎士たらんとするのならば急ぐがよい。

汝の最後にして唯一の澱み。

告解の機会が、聖槍へに呑まれる前に。」

ガウェイン「待て、待ちなさい……!

勝負はまだ……!

……消えた。

見逃されたのか……

いや、あの御仁にそのような情けはない。

私たちにはより残酷な結末がある、と……

あの黑洞は語っていた……」

聖都軍兵士「ガウェイン卿、ご無事で……!

敵の首魁との一騎打ち、お見事でございました!」

ガウェイン「敵の首魁……?

そうか。

諸君らにはそう見えたか。」

聖都軍兵士「違うのですか?

見ているだけで寒気のする、凄まじい騎士でしたが……」

ガウェイン「ああ、その通りだ。

あれほどの騎士と鎬を削る日が来ようとは。

私はついているよ。

他の円卓たちに、少々悪いと思うほどだ。」