ベディヴィエール卿……貴方の過ちは、意味があった。この獅子王には意味があったのだ。私には——それが——

第六特異点 神聖円卓領域 キャメロット

マシュ「獅子王……

いえ、アーサー王が玉座に戻って……

彼女は退去しないのですか!?」

ダヴィンチ「……彼女は英霊じゃない。

この特異点に召喚されたものじゃないんだ。

彼女はここまで自力でやってきた神霊だ。

だから、聖槍がなくなればそれで終わり。

あの獅子王は“ここで終わる”んだ。

この先、仮に聖槍を持つアーサー王と出会えたとしても、それはあの彼女じゃない。

聖槍の獅子王は、この聖都と共に滅びるんだよ。」

マシュ「…………そんな。

それでは、ベディヴィエールさんの行為は……」

獅子王「無駄ではない。

卿の思惑通り、私はこうして解放された。

そして私という過ちも、また無駄ではなかった。

嵐の王に成り果てた私にのみ、知り得る真実があったのだから。」

マシュ「獅子王にだけ知り得た真実……?」

獅子王「……そうだ。

私は魔術王と同様の視界を得た。

彼の思惑、その最終目的も理解した。

魔術王ソロモン。

その居城となる神殿は、正しい時間には存在しない。

魔術王の座標を示すものは第七の聖杯のみ。

あの聖杯のみ、魔術王が自ら過去に送ったものだ。」

ロマニ「……!

つまり、ソロモン王より過去の時代に七つ目の特異点があるという事か!

ボクはてっきり、ソロモンは死ぬ前にあらかじめ人理定礎が大きくなる時代を見透かして、その時代に聖杯が現れるように遺産として残していたものと予想していたけど——」

獅子王「……その予想は正しい。

六つの聖杯。

魔神の名を語る使者たち。

あるいは、魔術王の子孫として世に放たれ、覚醒の時まで生き続けた魔術師たち。

彼らは魔術王の時代から後に続き、2016年までの人類史に生きたもの。

だが七つ目の聖杯のみ、魔術王の手で過去に送られている。

そして、それこそが人理焼却を成した第一手。

人類史の土台、そのものを破壊するもの。

魔術王はこう語らなかったか?

七つ目の聖杯に至ったのなら脅威として認める、と。

それは七つの聖杯を手に入れれば、という意味ではない。

七つ目の聖杯こそ魔術王の絶対の自信。

それが復元されないかぎり、人理焼却は行われるのだ。」

ロマニ「——洗い出しが出来る。

そこまで分かっていれば七つ目の特異点は観測できる!

ありがとう獅子王!

今度会えたら感謝のキスをさせてくれ!」

獅子王「フッ。

次があったら、な。」

「あ………笑った……?」

獅子王「私とて、愉快なことがあれば笑う。

皆はともかく、今はこの通り、成長しているのだから。

……カルデアのマスターよ。

この度の戦い、私から謝罪はない。

私は私の行いを今でも正しいと考える。

人を護る手段、正義は個人によって異なるからだ。

だから——

そなたは、そなたが善いと感じた道を行くがいい。

そなたらは魔術王の神殿、その姿を見る位置にまで到達した。

——残る聖杯、最後の特異点にはそなたらの想像を絶する“悪”がいるだろう。

ともすれば、それは魔術王をも上回る大魔。

我ら人類の原初の罪である。

……星を集めるがいい。

人間の悪性、どのような闇にも負けぬ輝く星を。

そなたが信じるに値する英霊。

そなたとの繋がりを極めた仲間たちを。」

ロマニ「強制退去が始まる!

みんな、自分のカタチに意識を集中して!

カルデアに戻る、その事を最優先に考えるんだ!」

獅子王「……さらばだ。

私は私の理想とともに滅びる。

だが……

救われたものはあった。

ベディヴィエール卿……

貴方の過ちは、意味があった。

この獅子王には意味があったのだ。

私には——

それが——」