だから王は無茶な英霊召喚に踏み切った…王はあらゆる事態に対応するため、一人ではなく複数の英霊を必要とした、と…

第七特異点 絶対魔獣戦線 バビロニア

ロマニ「けどその、一つ質問いいかな?

君たちを召喚したのはギルガメッシュ王なんだよね?

では、キミたちを維持する魔力を提供しているのは彼ひとりだけ、という事かい?」

弁慶「然り。

マーリン殿の後、我ら七名の英霊をギルガメッシュ王はこの地に召喚した。

……今では四名になってしまいましたが、その話は割愛いたしましょう。

我らは召喚時にギルガメッシュ王の魔力によって霊基を構成しましたが、その後の魔力維持は各々が受け持っております。

人のように食べ、眠り、自ら魔力を生成して、ですな。」

ロマニ「……受肉している、という事だね?

ふむ、それなら納得できる。

さすがにたった一人で四人もの英霊の霊基を維持できる筈がないからね。」

マーリン「ああ。

実際、無茶な事をしたものさ。

つい、聖杯戦争を語ったのがいけなかった。

私だけでも枯渇死しかねないのに、“では我もあと七人呼ぼう”などと言い出すのだから。

ギルガメッシュ王が前線に出ないのは、まだその時の魔力消費が回復していない……というのもある。」

レオニダス「そのようですな。

我々を呼ばれる前は、敵がどんなものかも分からなかったと言います。

北部の都市が魔獣たちに襲撃され、各地で様々な異変が起き、クタ市は一夜にして消滅した。

その時、ギルガメッシュ王は未来を“視た”といいます。

ウルクが跡形もなく滅び、奈落に飲まれていく未来を。」

マシュ「……ギルガメッシュ王の千里眼ですね。

だから王は無茶な英霊召喚に踏み切った……

王はあらゆる事態に対応するため、一人ではなく複数の英霊を必要とした、と……」

レオニダス「その通り。

お見事な分析能力です。

マシュ・キリエライト……

マシュ殿でよろしいかな?」

マシュ「は、はい、マシュ・キリエライトです。

デミ・サーヴァントですが、よろしくお願いします!」

レオニダス「いえ、こちらこそ。

では、改めて時系列のおさらいを。

この時代が特異点となり、人理焼却がなされた後、ギルガメッシュ王は我々を召喚した。

それから半年。

ウルク市はこの通り、見事な戦闘都市として生まれ変わった。

城塞都市の中で穀物を育て、兵を鍛え、建物を作り——

災害時のみの緊急手段として貨幣制度まで導入して、正体不明の敵に抗ってきました。」

「……そうだったのか……なんだかすごいな……」

マシュ「同感です……

アメリカでも人々は戦っていましたが、それは一度根底を破壊された後の奮起でした。

このウルクはその逆のようです。

自分たちの世界が破壊されぬよう、今も懸命に戦っている——」

マーリン「ま、そこはそれ、時期が良かったのさ。

アメリカだってもう少し年代が後であれば、ケルト軍勢と真っ向から戦っていただろう。

ウルク市にとって幸運だったのは、ギルガメッシュ王が“成長して”戻ってきた事だ。

不老不死の探索を終えた彼は、ちょっとばかり精神的な変質があったのだろうね。」