ボクらはまだ一度も“侵攻”なんて仕掛けていない。 それはこの後、第二世代の魔獣が生まれてからの話だからね。

第七特異点 絶対魔獣戦線 バビロニア

マーリン「……どういう事かな、自称エルキドゥ君。

ニップルにはまだ二百人もの市民がいた筈だ。

しかし、血の跡はあっても死体はない。

キミの槍の雨で殺したとは思えないのだが?」

エルキドゥ「もちろん、昨夜のうちに処理しましたが、何か?

貴方たちが話していた通り、魔獣たちも生き物ですから。

人間という栄養は貴重です。

巣に持ち帰って、子供たちにも食べさせなくてはいけないでしょう?」

マシュ「っ……!

生きたまま……

連れ去ったというんですか!?」

ロマニ「しかもボクたちの話を聞いただって……!?

どこまで耳がいいんだ、あのエルキドゥは!?」

エルキドゥ「何を今さら。

ああ、レオニダス殿はそこまで説明していなかったのですね。

この魔獣戦線において、兵士の最大の死因は“未帰還”だと。

これまで魔獣たちは人間たちを極力殺さないよう加減していました。

手足を折り、その首を掴み、森に連れ去っていく。

それが何を意味しているか、語るまでもないでしょう?」

(震える兵士)

ウルク兵士「っ……や、やっぱり……

そうだったのか……

オレたちもおかしいと思ったんだ……

魔獣どもは北壁を越える事はあれ、破壊しようとしなかった……

あれは……

単に……」

エルキドゥ「そう。

彼らにとって、北壁は人間という資源が集まる場所としか認識していなかった。

ボクらはまだ一度も“侵攻”なんて仕掛けていない。

それはこの後、第二世代の魔獣が生まれてからの話だからね。

キミたちは彼らを創り出す為の素材、資源にすぎない。

でも光栄に思ってほしいな。

より強い生き物の糧になるんだ。

キミたち時代遅れの人間にしては、意義のある末路じゃないか?」