安心して滅びるがいい。 無に還る歓びが、キミたちに与えられた最後の救いだ。

第七特異点 絶対魔獣戦線 バビロニア

ティアマト「……我が息子の寛容に感謝するのだな、人間ども。

だが滅びの運命は変わらぬ。

これより十の夜明けの後、我らはウルクを滅ぼす。

命が惜しくば地の果てまで逃げるがいい。

逃げられれば、の話だが。

神殿に息づく我が魔獣の数は十万を超える。

人類はただ殺すだけでは飽き足らぬ。

せいぜい自分だけは、と励むがいい。

恐怖に溺れ、同胞を蹴落とし、疑心に狂い——

人獣に身を落とした後、惨たらしく殺してやろう……!」

(地面に潜っていく音)

エルキドゥ「……ふう。

なんとか帰ってくれたか。

聞き分けのない親を持つと苦労する。

これは人間もボクらも変わらない。

子は親を選べないからね。

そう思わないかい、藤丸?」

「どういうつもりだ……?」

エルキドゥ「どういうつもりも何も、キミたちを助けてあげたのさ。

流石に、これで終わりは呆気ないだろう?

母上にとってキミたちは駆除すべき害虫であり、注意を払うのは他の女神だ。

そして他の二柱の女神は、どうも人間を有効活用しようとしている節がある。

だから人間を皆殺しにしてしまうと、二柱の女神たちが本気になってしまう可能性が高い。

ボクはティアマト神に仕えるもの。

だから万全を期して、もう少し人間を生かしておくのさ。」

「おまえは何者なんだ?」

エルキドゥ「ああ、それももう隠す必要がないね。

ボクも魔獣同様、母に作られた存在だ。

母を棄てたキミたち旧人類を滅ぼし、キミたちにかわって世界を統べるヒトのプロトタイプ。

原初の女神、偉大なるティアマトに作られた新人類。

その真名を、キングゥと言う。」

ロマニ「キングゥ……!

創世神話において、ティアマト十一の子供たちを率いた神の名か……!」

キングゥ「そう。

でも生まれ変わりとか、そんな馬鹿げた話じゃない。

キングゥ神はマルドゥーク神を恐れ、逃げ出した失敗作だ。

再利用する必要性がまるでない。

けどボクは違う。

神々の最高傑作であるエルキドゥをモデルにして作られた完全な存在——

完璧な、次の人間としてデザインされた。

なのでここに保証しよう。

人類は滅びない。

人理はここから再開される。

キミたち人間が衰退した後、ボクが次のヒトとなる。

キミたちの歴史はボクたちが受け継ごう。

だから安心して滅びるがいい。

無に還る歓びが、キミたちに与えられた最後の救いだ。」