イシュタルは多くを望み、成長した女神だ。一方、エレシュキガルは何も望まなかった。

第七特異点 絶対魔獣戦線 バビロニア

ギル「このようにイシュタルは多くを望み、成長した女神だ。

一方、エレシュキガルは何も望まなかった。

……アレは冥界が出来た時、その定礎として冥界に捧げられたもの。

冥界にはどれか一柱が赴任しなくてはならなかった。

その責任を押しつけられたのがエレシュキガルだ。

生まれたばかりのエレシュキガルは冥界に押し込まれ、そのまま地の底の女主人となった。

千年、万年、亡霊たちの管理をする神として。

ただの一瞬も、地上と天上で過ごすことなく。」

マシュ「それは…………

悲しい、です。

以前のわたしではそう感じませんでしたが、今のわたしはそう感じます。

……外に出られない事が悲しいのではありません。

新しい世界、新しい出会いがない事が、とても悲しいです……」

イシュタル「………………。」

ギル「その代償として、エレシュキガルは冥界では無敵となった。

神々ですら冥界ではアレの定めた法律には逆らえん。

そこの小小小小小小娘のようにな。

だが冥界でなければその特権もない。

神性、権能的には中級といったところだ。

そして——

相手が生者であれば、まず“殺さねば”冥界の法律に縛れない。

いま冥界で唯一エレシュキガルが冥界の法を振るえぬのは藤丸とマシュだけ、という事だ。」

ロマニ「なるほど。

キミが藤丸君を待っていたのはそういう理由だったのか。」

ギル「フン。

生者であってようやく戦いが成立する、という話だがな。

我の懸念は冥界に落ちた瞬間、藤丸がガルラ霊どもに殺されぬかという一点だった。

だが、それはイシュタルめが防いだようだ。

共に冥界に落ち、もっとも無防備な時を守る——

やはり貴様、やや知性が上がったのでは?

その器、放蕩娘(マイナス)と守銭奴(マイナス)でプラスになったのか?」

イシュタル「誰が放蕩娘よ、誰が!

こっちの事情も知らないクセに、好き放題言わないでよね!

それとこの器が守銭奴なのは、客観的な事実にすぎないから!

私は私なりに、宝石を集める理由があるの。

金ピカの言葉を鵜呑みにしないでよ、藤丸!」