世界は天と地、地の下のここ冥界、そしてさらなる深淵と繋がっている。深淵とは無の海だ。

第七特異点 絶対魔獣戦線 バビロニア

「冥界のさらに下があるのですか?」

ギル「あるぞ。

メソポタミア世界は天と地、地の下のここ冥界、そしてさらなる深淵と繋がっている。

深淵とは無の海だ。

その暗い海よりアプスー神とティアマト神は現れ、メソポタミアの世界の作った。」

イシュタル「言うなれば生命が生まれる前の黎明の海よ。

深淵を管理するエンキ神も消えた今、落ちれば今度こそ帰っては来られまい。」

マシュ「ギルガメッシュ王が不老不死の霊草を求めた地、ですね。

そういえば……

冥界といえば英雄エルキドゥも因縁があると聞きます。

たしかギルガメッシュ王の命を受けて、エルキドゥは冥界に向かい、その様子を伝えたのですよね?」

ギル「………………。」

ロマニ「(あれは都合の悪い事を黙って流そうとする笑顔だ!)」

イシュタル「あら、詳しいじゃないマシュ。

でも真相はも〜っと、どうしようもないものよ?

あれはね、そこの金ピカ王新しい発明品(がっき)に夢中になって、三日三晩宴会していた時の話で、いいかげん五月蝿くて頭にきたエレシュキガルが冥界の門をちょこっと開けたのよ。

王さまはしこたま酔ってたから、うっかり穴に楽器を落としちゃったの。

その時のコイツの取り乱しようったらなかったわ!

で、見るに見かねたエルキドゥが自分から冥界に行くと申し出たのよ。

かくしてエルキドゥは冥界を見聞して、きちんとエレシュキガルに礼を尽くして地上に戻ったのでした、と。」

ギル「ええい!

元はと言えば貴様が“ハルブの木に蛇が住み着いたわ〜、助けて〜”などと頼み込んだ末の顛末であろう!

あの木を切らねば楽器(エルラグ)など作らなかったわ!」

マシュ「……待ってください。

エレシュキガル女神に礼を尽くした……

つまり、エルキドゥはエレシュキガル女神と関係がある?」

ギル「ああ。

ヤツはイシュタルは毛嫌いしたが、エレシュキガルには礼を以て接していたらしいな。

……エルキドゥの遺体を引き取ったのもエレシュキガルだ。

地上に神の兵器の残骸は置いてはおけぬ。

冥界であれば誰の目に触れる事なく鎮められよう、と。

だが……

貴様らが来るまで時間もあった。

エルキドゥの墓所の様子を見に行ったが、ヤツの遺体は消えていた。」

マシュ「!

では、キングゥを名乗るあの少年は、本当にエルキドゥさんなのですか!?」

イシュタル「再起動したエルキドゥ……という事?

でも、エルキドゥの魂は神々によって破壊された。

サーヴァントとしてならともかく、この時代に生きる者としてアイツが蘇る事は有り得ない。」

ギル「イシュタルめの言う通りだ。

あのエルキドゥはエルキドゥではない。

埋葬されたものの、まだ残っていた体に宿るものがあった。

それがあの者の在り方だ。」

ロマニ「……埋葬されたものの、まだ残っていた体に……?

……そんな事があるのか?

いや、だとしたら——」

ギル「本人もキングゥと名乗っているのであろう?

であれば、そのように考えるがよい。」