こ、このバカ女神が! 何のために貴様をスカウトしたと思っているーー!

第七特異点 絶対魔獣戦線 バビロニア

コアトル「でも時間の問題はどうしたものかしら。

ティアマト神がウルクに到達するまであと二日。

エレシュキガルの冥界門の準備ができるまで三日。

ウルクが滅びた後にティアマト神を倒しても人理定礎の崩壊は修復できないわよ?」

エレシュキガル「そこはアナタたちが何とかしなさいよ。

私は門の準備で手一杯だから。

……二日……

いや、せめて一日、ティアマト神を押しとどめなくてはいけないのか……

しかしどうやって……?

マルドゥークの斧はもう壊れてしまったし……

案ずるな。

もはや勝ち筋は見えた。

こちらにはイシュタルがいるのだからな。」

イシュタル「?

なんで私?」

ロマニ「ああ……!

そうか、女神イシュタルなら、確かに!」

コアトル「オーウ、そうでしター!

イシュタルなら楽勝デース!」

ジャガーマン「そうだったのね!

さすがだわイシュタルさん!

はい!

マーリンさんの言っていた通りです!」

「さすがイシュタルさん!」

エレシュキガル「……ふん。

別にイシュタルが凄いわけじゃないでしょ。

あんなのアヌ神の甘やかしじゃない。

冥界の門を設置できる、私の方が凄いんだから。

ははは、こやつめ、勿体ぶりおるわ。

切り札の見せ方を心得ているとは、にくいにくい。

だがニクイのはもうよい。

さあ。

グガランナを呼ぶがよい。」

イシュタル「げ。」

マシュ「はい。

女神イシュタルが従える、天の牡牛グガランナ!

その姿は山の如し、シュメル最大の神獣と聞きます!

そのグガランナであれば、ティアマト神を足止めも可能かと!」

イシュタル「あ、うん。

そうね。

私のグガランナなら、うん。

全盛期のグガランナならティグリスも干上がらせるし。」

コアトル「私もウルの人たちから聞きましター!

イシュタル女神のしもべ、グガランナは恐るべき神獣だと!

そして女神イシュタルの素晴らしさを!

神々ですら手なずけられない神獣を、アナタは時に厳しく、時にもっと厳しく扱い、自在に操ったっといいマース!」

イシュタル「え、ええ、そうね。

グガランナとか、私の乗り物(あし)みたいなものだし?

でもみんな、ちょっと持ち上げすぎじゃないかしら。

グガランナはそんな大したヤツじゃないから、ティアマト神の前じゃ何の役にも立たないっていうか……」

「グガランナ! グガランナ!」

イシュタル「う、ぐっ……!」

ギル「……どうした?

様子がおかしいではないか。

いつもの貴様なら甲高い笑い声と共に、自分の力でもないグガランナを自慢しきっていた筈だが……

おい。

貴様。まさか——」

イシュタル「……はい。

ありません、グガランナ。」

マシュ「——いま、なんと?」

イシュタル「ないの、落としたの!

どっかで無くしちゃったのよー!

たぶん北部で落としたんだけど、もうどこにも見当たらなくて!

バビロンも探し回ったのに、グガランナのヤツ、影も形もないんだものーー!」

ギル「————(絶句)

こ、このバカ女神が!

何のために貴様をスカウトしたと思っているーー!」