アイツが私を覚えていてくれるなら必ずまた会えるわ。それを知っているから、私はここで、私の全てを投げ出せるのよ。

第七特異点 絶対魔獣戦線 バビロニア

マシュ「イシュタルさん!

ご無事だったのですね。

それに退去の兆候がないという事は、この時代に残るですか?」

イシュタル「ええ。

私は聖杯に呼ばれた神性じゃないし。

特異点が消えて、人理の焼却が防がれて——

アイツの言うとおり、ウルクの初期王朝がなくなるまでは、この世界に留まるわ。

せっかくバビロンの蔵の二割を貰ったんだし。

愛でないと勿体ないでしょ?」

「それはそうだ。エレシュキガルは……?」

イシュタル「…………。」

イシュタル「エレシュキガル!

アナタ、なにしたの今!?

冥界の女神が生者にタダで力を貸すなんて!

しかも人間よ、人間!?

女神の禁を二つも破るなんて、どうなるか分かってるの!?」

エレシュキガル「それがどうかしたかしら?

私は冥界の女主人。

冥界を守るために、一番可能性の高い方法をとっただけ。」

イシュタル「なに偉そうに言ってるのよ、膝が震えてるじゃない!

今からでも遅くはないわ、冥界の護りを解きなさい!

せっかく、話し合えるヤツと知り合ったんでしょう!?

ここで今のアナタが消えてどうするのよ!?

仮に、もしアナタに次があるとしても、それは今のアナタじゃない。

次のアナタが今の性格とは限らない。

今回みたいな出会いにはならないのに!」

エレシュキガル「っ……

そ、そうかしら。

次はもっとドラマティックな出会いとか、ないかしら。」

イシュタル「ないわよ!?

アンタどこまで乙女力高いの!?」

エレシュキガル「く、ないかぁ、そうかぁ……

私の基本の神性(せいかく)って、今よりちょっとだけ暗いものね。

うまく会話できるか、ちょっと不安になってきたわ……」

イシュタル「そもそも呼ばれないっての!

今のアナタじゃないと、縁も記憶も残らないんだから!」

エレシュキガル「…………そっか。

まあ、そうよね。

でも、それでもいいわ、私。

私は『今の私』が好きなんじゃなくて、あの人間の在り方が気に入ったのだもの。

アイツが変わらなければ、それでいい。

それに、アイツが私を覚えていてくれるなら、必ずまた会えるわ。

それを知っているから、私はここで、私の全てを投げ出せるのよ。」

イシュタル「…………。

エレシュキガルなら、ちゃんと冥界で休んでいるわ。

最後に、アナタたちによろしく、って。」

フォウ「フォウ……フォウ、フォ!」