せっかくの人の厚意を無下にしてぇ! カルデア仮想通貨プラン本格始動の暁にはぜったい吠え面かかせてぇぇ——

幕間の物語(女性鯖)

ダビデ「ははははは!

荒れ野だろうと砂漠だろうと変わらないさ!

二人の人間がいれば、そこには価値と搾取が、三人いれば、選択と競り合いが生まれる。

つまりは経済という車輪がグルグルまわりはじめるのだからね!」

シバの女王「いーまーさーらーですぅ!!

ええ、ええ、存じてますうぅ。

エデンの園を離れた清廉なる人々が黄金の呪いに捕らわれてよりこの方——

持つ者と持たざる者、その軋轢はいや増すばかり。

なりません。

なりませんねぇ。

なりませんとも?

目に余る嫉妬には、賢き忍耐(ちょうきろーん)で応え、飽くなき強欲は、救恤の心(しゅっけつだいさーびす)で癒やす。

それが我々、商う者のつとめでございましょうに?」

ダビデ「おやおや、それはどうかなぁ女王陛下?

君は商人である前に、女王サマだと思ってたけれど、そんな簡単に俗世に取り込まれてしまっていいのかい?

アイデンティティの崩壊ってヤツだ。

この21世紀に現界したサーヴァントだとしてもだぜ?」

シバの女王「ふぬぬぬ……

切り離しては考えられませぇん!

お気楽なただの羊飼いさんとはワケがちがうんですうぅ!」

ダビデ「へえ?

何か思いつきでも?」

シバの女王「フフッ……ええ。

このカルデアは武と神秘の城ではあれど、商いの備えと護りまで万全、とは言い難いのですからぁ。」

ダビデ「なるほど、さもありなん。

いつか思いもかけぬ方面から冷たい氷を浴びせられる可能性もある。」

シバの女王「そうですとも!

たとえ孤高たるカルデアといえど、人の営みのうちにある事に変わりはありませぇん。

商いを営む者らしく、緊張感をたもちながら互いに力を合わせ……

たとえばまずは——

カエサルさんと、コロンブスさんは欠かせませんねぇ……

子ギルさんの説得は難度高めですが脈はアリ……

名付けて“カルデア・カルテル”……とか……

軽やかな語感ですが、どこか聞こえが悪い感じ……

そう、“カルデア商人会”などギルドらしい雰囲気があってベネ……」

シバの女王「そうですねえ、まだ今でしたらばぁ——

特別にマスターの顔を立てて、あなたのお席をご用意するのもやぶさかではぁ……?(ちらちらぁ?)」

ダビデ「いやあ。

そんなにも僕を買ってくれるなんて、実に光栄だなあ。

うん、でもやっぱり僕の性分とは合わない申し出だね。

ただ……そうだね。

まるで大切な宝物のように我らカルデアを気に掛け、奮闘する姿には感激したよ。

その奮闘ぶりは女王の威厳とは正反対のものだけど、だからこそたいへんいじらしい。

かの王も、その二面性にビビッときたのかな?

いや、僕もいまビビッときているけどね!」

シバの女王「なっ、な……いじ……ビビ……!?」

ダビデ「ああ、話し込んだらおなかが空いてきた。

いやこれはきっと君のかぐわしい香水の香りのせいだ。

食堂で軽くルガラーでもつまみにいくかな。

詩歌や演奏の集まりなら、またぜひ誘っておくれ——

それじゃあ。」

シバの女王「……ダ……。

ダ、ダッ、ダ——

大っ嫌いですう!!

ラクダに蹴られて死ねばいいと思いますぅぅ!

せっかくの人の厚意を無下にしてぇ!

カルデア仮想通貨プラン本格始動の暁にはぜったい吠え面かかせてぇぇ——」

ジェロニモ「……少々、いいかね。

シバの女王。」

シバの女王「はっ——ハイ?

なんでしょう?」

ジェロニモ「忌憚なく激論を交わすのはよいことだ。

気の置けない友人である証だ。

ただ……

あまり大人げない姿を見せるものではない。

特に、彼女の前では、ね。

困惑しているようだ。

親しき者たちが争い合う姿というのは夢見が悪いものだ。

当人同士には思惑があり承知の上だとしても。」

ジェロニモ「当人同士には思惑があり承知の上だとしても。」

シバの女王「ひわ……

お……おっしゃるとおりですぅ。

お恥ずかしいところを……。」

アビゲイル「あのっ……

お気になさらないでくださいな、女王様。

私なら平気よ、ジェロニモさん。

ご心配してくださってありがとう。

その……商いごとのお話は、私にはとても難しくっておぼつかないけれど……。

シバの女王とダビデ王がおそばにいらっしゃる、……それだけでもう、夢のようだもの。

光栄な気持ちで、私、いつもどきどきしているの。」

ジェロニモ「……ほう。

だ、そうだ。」

シバの女王「はい……(耳ふにゃあ)

お気持ちにお応えできるよう、私も心がけますね、アビゲイルさん。」

アビゲイル「くすっ、アビーでいいのよ、ティテュバったら——あっ……

ごめんなさい。

私、またお名前を間違えて……。」

シバの女王「フフッ、いいのですよ。」

「“ティテュバ”って……あの召使いの……?」

アビゲイル「…………ええ。そうよ。

セイレムで……

私の叔父の下で働いていた奴隷の方……。

どうして彼女の名前を口走ってしまったのかしら……。

シバの女王様とはまるで、まるで違うのに。」

ジェロニモ「…………ふむ。」