「世界を救いたい?」「ええ。 私はたとえ相手が親の仇であったとしても救いますとも。」

幕間の物語(男性鯖)

ロマニ「——それにしても。

天草四郎が魔術使いだったとは驚いたね。

魔術使いということは、正式に魔術を習った訳ではないんだろう?」

天草「はい、まあ極々稀にいる天然というやつですね。

生まれつき奇跡(まじゅつ)を行使でき、しかもそれを指摘する人間が誰一人としていなかったので——。

私は奇跡として崇められてしまいました。

もしかすると、森宗意軒(もりそういけん)あたりがその手の噂を抑えていたのかもしれません。

今となっては、何が真実なのかは分かりませんが……。」

ロマニ「キミの魔術の特異性を聞いたかぎり、そりゃ当時の協会も放置しなかっただろうなあ。」

天草「まあ、所詮は生前の出来事です。

今はこの世界を救うことに注力しましょう。」

「世界を救いたい?」

天草「ええ。

私はたとえ相手が親の仇であったとしても救いますとも。」

マシュ「さすが聖人ですね……。」

天草「いいえ、聖人ではありませんよ。

認定はされていませんし。

聖人とあろうとしてはいます。

けれど、そこに辿り着くためには捨てなければならないものがあるのです。

……憎悪。

それがある限り、終生聖人ではない。

もっともかのジャンヌ・ダルクのように、生まれついての聖人のような存在もいるのですが——。」

マシュ「ジャンヌさんはご自分のことを聖人だとは思っていらっしゃらないようですね。

度々、からかわれているのを耳にします。」

天草「本人の意識と、他者からの観点は別物ですよ。

彼女がどう言おうと、私はジャンヌ・ダルクが聖人であることを信じています。

……もっとも彼女からすれば、心底余計なお世話というところでしょうが、ね。」

ロマニ「そう言えば、キミはジャンヌ・ダルクと何か関係があるのかい?

同じクラス・ルーラーという割りにはあまり親しくなさそうだけど。」

天草「ああ、それは——

……それは、秘密にしておきましょう。

何しろ、互いの理念に関わることですので。」