その魂はいまだ熱を帯びている。神の視点はあれど、神の心臓にはいまだ至らず。機械仕掛けの神には落第なり。

幕間の物語(女性鯖)

???「——神の視点。

なるほど、それは力ある者の苦悩である。

神は人を救わない。

神は人を赦さない。

神は法であり、国であり、世界である。

そこに、人の情があっては破綻しよう。」

アルトリア「また介入者だと……!?

何者だ、姿を見せよ!」

ロムルス「守護の果てに天の英霊になったものよ。

恐れることはない。

恐れることはない——

我が名はロムルス。

そなたと同じく生きながら神の席に祭られたモノ。

輝ける玉体。偉大なる槍。天を衝く大樹。

それはまさしく、私(ローマ)である。」

「真祖ロムルス……! キラキラしてるーー!?」

ロムルス「うむ。善き感嘆(コトバ)だ。

神を崇めるに相応しい。故に——」

ロムルス「——防いだな。

私の槍を。私の意向を。」

「あ、危なかった……ありがとう、アルトリア!」

アルトリア「なんのつもりだ!

それがローマのやり方か!」

ロムルス「分からぬか。

正しい人間に聖槍の光は耐えられぬ。

悪しきマスターであれば良い。

いずれ目が潰れ、心を無くし、そなたにすがるだけの信徒になろう。

だが心ある者の声は、そなたには不要である。

同じように、そなたに心は不要である。

デウス・エクス・マキーナ。

聖槍の女神よ。

そなたのあるべき姿に戻るがよい。

そのために、私が来た。

マスター・藤丸を排除するために。」

アルトリア「余計な世話だ、真祖ロムルス!

誰であれ、私の契約者に手を出すのなら容赦はしない!」

ロムルス「笑止なり!

最果ての槍、建国の槍に及ぶべくもなし!

出でよ我が子ら、我が枝葉たちよ!

私に、その雄々しき姿を見せるがよい!」

(戦闘後)

アルトリア「くっ……

ロンゴミニアドがあの槍に劣るなど有り得ない……

だが押し切れないのも事実……!」

ロムルス「分からぬか、聖槍の王よ。

そなたは聖槍の力を引き出してはいない。

いや。

聖槍の力に溺れていない、と言うべきか。

そなたはいま、マスターを守るために戦った。

世界を守るため、ではない。

それでは最果ての槍は輝かぬ。」

アルトリア「何を……!

我が槍は健在だ!

輝きは衰えていない!」

ロムルス「……仕方あるまい。

このような非私的(ローマ)な行為はしたくなかったが……

暴力に訴えねばならぬ時もある。

今がその時だ、藤丸よ。」

「……来るッ! 直接、オレを叩く気か……!?」

ロムルス「問おう。

藤丸よ、アルトリア・ペンドラゴンを好きと言ぇぇぇぇい!」

「え——はいぃぃぃい!?」

アルトリア「な、なにを言い出すのだ貴様は!

まさに野蛮、それがローマのやり方か!?

耳を貸すな藤丸、アナタは私に魔力を回せばそれでいい!」

ロムルス「外野の訴えは却下である!

藤丸よ、好きといぇぇぇぇえい!」

アルトリア「貴様、私を愚弄するにも程が——!」

「そりゃあ好きですよーー! 好ーーきーーでーーすーー!」

アルトリア「え——

は、はい、ありがとうございます!

で、ではなく!

契約者からの敬意など、私には不要だと……!」

ロムルス「では、逆を言ったとしたらどうする?

そなたを嫌っている、と叫んだとしたら?」

アルトリア「全力で落ち込みます!

私だって傷つきますから!」

ロムルス「その通りだ。

語るに落ちたな、聖槍の騎士よ。

契約者からの好意をそなたは喜び、そなたも、契約者に好意を持っている。」

アルトリア「あ……

いえ、ですがそれは、サーヴァントとして当然の信頼関係というか……」

ロムルス「それでよい。

それでよいのだ。

聖槍の騎士よ。

そなたは竜の子と言えど、人であり、人であらんとしたもの。

その魂はいまだ熱を帯びている。

神の視点はあれど、神の心臓にはいまだ至らず。

機械仕掛けの神には落第なり。

即ち、それもまた——」

「ローマである、だよね?」

ロムルス「————その通りだ。

ローマとは浪漫であり——

神代より卒業し、人として人を愛す心を得た、人間的なるもの、その全ての象徴である。」

アルトリア「…………神の心臓は、ない…………

私は……まだ……」

「ぜんぜん、いつものアルトリアだったよ」

アルトリア「そうなのですが?

私には……実感できないのですが……

……ですが、マスターであるアナタが言うのならそうなのかもしれませんね。

そして謝罪を。

アナタには私を理解できないと言いました。

それを訂正する気はありません。

互いに在り方が違うのは事実です。

でも……私も、意固地だったようです。

立場は違えど理解しあえる事はある。

その上でアナタが私を恐れるのか、頼ってくれるのか。

それを、これから見極めるとしましょう。」

「うん。改めてよろしく、アルトリア」

アルトリア「はい。

こちらこそよろしくお願いします、マスター。」