何はともあれ金銀財宝山の如くだよ、マスター。うん、いいね。これだけあれば、国の一つや二つ余裕で買えるよ。聖杯は——。

幕間の物語(女性鯖)

マシュ「今回も財宝ですか?」

メアリー「うん、といっても海賊の財宝じゃないけどね。

ほら、テンプル騎士団の財宝。」

マシュ「ああ……

確か異端として処刑されたテンプル騎士団が密かに秘匿していたという。」

ロマニ「やっぱり海賊はロマンだね!

……今回はちゃんとモニターするよ!」

アン「そう願いますわ。

でも、メアリー。

よくテンプル騎士団の財宝なんて知っていましたわね。」

メアリー「海賊稼業のときに、色々と見て回ったじゃないか。」

アン「ああ、メアリーは港に着く度にしょっちゅう出歩いていましたわね。」

メアリー「道を歩くだけで、男が後から後からくっついてくるアンには難しいよね。」

アン「もう、いじわるね。」

メアリー「ふふふ。

えっと、ドクター。」

ロマニ「ああ、何だろう?」

メアリー「僕もテンプル騎士団については一通り知っているつもりだけど、やっぱり説明は任せるよ。

めんどくさいし。」

ロマニ「わあい、面倒臭い仕事を押しつけられたぞぅ。

まあいいか、後方支援ってそういうものだし。

テンプル騎士団は、聖地巡礼する信徒たちを守るために聖職者たちによって結成された騎士団だ。

その任務の一つに教徒たちや騎士たちの財産を管理運命する、という役割があった。

聖地巡礼する信徒と十字軍が増えることに比例して、管理する財産も膨れ上がっていき——。

最終的には貸し付けも行う銀行業務へと発展し、一国の財産を預かるまでに至った。

ところが、巨額の負債を抱えていたフランス王国は彼らを逮捕、拷問にかけた。

目的は借金帳消しと財産没収だね。

もちろんこれによって借金は帳消しになったものの、目的であった財産は、大部分が闇に消えてしまった。

聖杯を所有していたとも言われているが、全ては謎に包まれたままだ。」

メアリー「僕がこの情報を知ったのは、騎士団の生き残りの子孫っていう老人からなんだけどね。」

マシュ「あの、それ信用できるのですか?」

メアリー「うーん、どうかな。

酔っ払ってたし、テンションが激しく上下してたし。

ただ、話自体は割ともっともらしかったんだよね。

老人曰く。

テンプル騎士団は、情報網によって既に彼らの命が風前の灯火であることを理解していた。

そこで彼らは船で財宝を運び、ある場所に秘匿した。

財宝の輸送に関わった人間は、その場で皆殺しにしてね。

いつか騎士団が再結成される日まで、財宝は秘匿する。

それが彼らの意志だった。

老人の先祖は捕まらないように、騎士団を脱退した。

彼の居場所は騎士団たちすら知らない事柄だ。

だが、再結成される日はとうとう訪れなかった。

老人の先祖は子々孫々、騎士団の再結成を待てと伝えた。

けれど、四百年も経ってそんな義理はもうなくなった。

このネタで酒が貰えるなら……って、話してくれたよ。」

アン「不安要素いっぱいね。

そうだね。ハズレだったらごめんね。」

「問題ない。楽しいからいい」

ロマニ「そうだね。

財宝に行き着くまでが楽しいんだ。

財宝そのものは、現状だと使い道があまりないし。

でもQPの足しにはなるし、何か面白いものが見つかるかもしれない。

頑張ろう!」

(中略)

マシュ「財宝を守るのがドラゴンというのは確かに王道ですが……。

まさかテンプル騎士団まで。」

ロマニ「これぞまさに——

テンプル騎士団ならぬテンプレ騎士団!」

マシュ「フォウさん、帰ったらドクター・ロマンの鼻を噛んであげてください。目一杯。」

フォウ「フォウルルル!」

ロマニ「ご、ごめんなさい!

我ながら上手いこと言ったつもりでした!」

メアリー「何はともあれ金銀財宝山の如くだよ、マスター。

うん、いいね。

これだけあれば、国の一つや二つ余裕で買えるよ。

聖杯は——。」

ロマニ「ああ、聖杯と思しき反応はない。

ただ、魔力の反応が財宝の中にちらほらあるな。」

ロマニ「探してみてくれないか?」

メアリー「うーん、もしかしてこれかな?

この水晶の髑髏。」

ロマニ「クリスタル・スカルか!

そりゃ希少なお宝だ!」

アン「これは……どうかしら?

武器と鎧が一通り揃ってますけど。」

ロマニ「テンプル騎士団の使ったものだろうね。

魔術的にはともかく、財宝としてはかなりの価値がある。」

メアリー「本当なら信徒たちに返還するのが筋なんだろうけど、僕たち海賊だし、ありがたく戴いちゃおう。」

アン「うふふふふ。

これも世界を救うためですから。

うん。

世界を救うために、有効活用しよう。

ね、マスター!」