貴様らを追い出し、忌々しい警報を止め、冥界に戻る! 死んだ後まで過労死などさせられてたまるものか!

幕間の物語(女性鯖)

イシュタル「ギルガメッシュが撹乱のために造っていた他のニセ宝物庫なんのその!

毎回、どれが本物の宝物庫なのか耐久性を確かめて、痕跡は破壊活動で完璧に隠滅していたのよ。

一番、造りが頑強なものが本物。

これって真理でしょう?」

マシュ「それは確かに。

一番硬いものは真実です。

護りとはそういうものですから。」

イシュタル「でっしょ?

だから、ここの宝物庫が本物と当たりをつけて、日夜こう、空から内部構造を探っていたのよ。

私、宝具の時は金星のコピー作ってるでしょ?

あれと同じ要領でね!」

イシュタル「おかげでここの構造は霊基に刻まれるくらい覚えたわ。

それこそ、目をつぶっていたって歩けるくらいにね!」

マシュ「素晴らしい努力と修練です。

さすがは女神イシュタル。

でも、その割にはことごとく罠に引っかかっているのは、どういう理由で?」

イシュタル「え……ま、まあ。

コピーっていっても、ほら、掌に乗るくらいのミニチュアだし?

中身の確認というか、複雑な仕掛けまではコピーできなかったっていうか……

で、でも通路さえ覚えておけば充分じゃない?

罠が何処にあるかとか、覚えるの面倒だし……」

マシュ「……。

この罠の配置は“道を把握している侵入者に対して作られたもの”のようです。

つまり——」

???「知れたこと。

忍び込む鼠が中でどう振る舞うか分かっておれば無闇に罠を仕掛けるまでもない。」

マシュ「!!」

イシュタル「そ、その声は!」

ギル「鼠どもが思いの外頑丈で罠の威力が足りなかったのは、いささか誤算ではあったがな。」

イシュタル「なっ、ちょっとアンタ!

なに化けて出てきてるのよ!」

ギル「たわけ!

我とてかかる些事のため死に恥をさらしたいものか!

貴様がいちいち罠にかかるせいで警報が冥界まで鳴り響きおちおち死んでもおれぬ!

冥界の女主人めが『警報を止めるか、鳴らしている阿呆の息の根を止めるかして』と恨みがましく言い募りおるしな。」

「うちの邪神が本当にすみません……」

イシュタル「ちょっと、こんなヤツに勝手に謝らないで!

あと、いま邪神とか言わなかった!?

私には報酬として、ここの宝の半分を所有する正当な権利があるんだからね!」

ギル「何の話をしているかと思えば。

そうか。あの話か。

ふ——

実に残念、そして無情だなイシュタルよ。

あの契約(はなし)な。

ちょうど一日前に時効となった。

ほら、よく契約書を確かめてみるがいい。

裏面の左下に、太陽にあてぬと見えぬ彫りがあろう?

“——ただし、ギルガメッシュが没した場合か、半月内に支払いがない場合、この契約は無効です”

ああ、残念だ。とても残念だ!

さすがシドゥリ、素晴らしい忠告(アドバイス)であった!

よもやイシュタルともあろう女神が、こんな初歩的な見落としをしようとは!」

イシュタル「とことん賢しくなったわねこの金ピカ王ーー!

こんなんなら昔のアンタのが良かったわよーーだ!

そもそも、女神との契約に時効も無効もあるかーー!

今すぐ耳を揃えて払うか、死あるのみよ!

それともウルクごと滅ぼしてあげましょうか!?」

ギル「ははは。

契約通りの話をしているのだがなあ。

そもそも、我はもう死んでいるが?」

イシュタル「うっ。

……ぐ、いいえ、いいえ!

なら冥界から引きずり出してでも生き返らせて改めて殺し直すわ!」

そして報酬を払わせる!」

ギル「貴様、また冥界と事を構える気か?

私利私欲でよくもそれだけ厄介事を思いつくものよ。

その根性だけは認めよう!

だがいいオトナなのだから迷惑も覚えるがいい!」

イシュタル「その台詞、そっくりそのままアンタに返してやりたいんですけどね!」

「(似た者同士……)」

ギル「ええい、揃いも揃って黙らっしゃい!

凶賊と、その凶賊のゆかいな仲間たちよ!

我とて担ぎ出されて迷惑なのだ!

貴様らを追い出し、忌々しい警報を止め、冥界に戻る!

死んだ後まで過労死などさせられてたまるものか!」

イシュタル「私の宝を手に入れるまで絶対出ていかないし逃がすもんですかーー!!」

マシュ「もはやイシュタルさんが怒りと悔しさで何を言っているか分からない状態ですが、戦闘開始ですマスター!」