やったぞ! 我が一族の宿願が、遂に叶った! これよりこの竜種を以て、ロンドンの魔術師を支配下に置く!

幕間の物語(男性鯖)

ヴラド「さて。残るは魔術師か。

……出てこい、とは言わん。

ただ、辺獄の果てまで探し尽くす。

我が異名“串刺し公”を存分に思い知るがいい。」

魔術師「……き、貴様たちは、何者だ……。」

ヴラド「そんなことも分からぬか。

ヴラド・ツェペシュ——。」

魔術師「ワラキアの……ヴラド三世? 

戯言を。

ヴラド公など、とうの昔に滅びている!」

ヴラド「そう、その通り。

余はワラキアの王として戦い、滅んだ。

それは全て終わったこと、歴史に呑み込まれた出来事だ。

しかし——

それを後から糊塗されるのは我慢ならぬ。」

魔術師「……なんの、ことだ。」

ヴラド「知らずともよかろう。

……滅ぶのだから、お前は。」

魔術師「ひっ……。い、嫌だ!

召喚……召喚だ!

出てこい、私を助けろ!

助けてくれ……!!」

マシュ「召喚陣……!

まさか、また何か召喚しようとしていたのですか!?」

魔術師「おお!

きた、きたぞ……!

殺せ! 奴らを皆殺しにしろ……!」

ヴラド「——さて、何を召喚したのやら。」

マシュ「この極大生体反応……まさか……!?

十九世紀の土地に……ドラゴンを召喚なんて……!?」

ヴラド「驚くには当たるまい。

七つの時代が焼却されたこともあるのだ。

修復中ならば、このような事も起こりえようよ。」

魔術師「や、やった……やったぞ!

我が一族の宿願が、遂に叶った!

これよりこの竜種を以て、ロンドンの魔術師を支配下に置く!

時計塔の貴族(ロード)など、これで一挙に根絶やしに————。

……あれ?」

マシュ「魔術師が……!」

魔術師「ぎゃああああああああああああああ!!!

く、くわれ! 

くわれる……!?

なんで! 

私が召喚したのに……何故だあ!?

やめ……ぎゃああああああああああ!!」

ヴラド「無様な。

偶然と好機が重なり竜種を召喚したとて、統べることができなくては、どうにもならんか。

よかろう。

さあ、窮極の幻獣——竜種よ!

我が父はそなたらの名を尊び、そなたらの姿を武の極限とした!

その息子である余は竜ではなく悪魔として敵兵に、領民、歴史にすら貶められた!

その余がいま、父が夢想したそなたと相対している。

なんという皮肉、なんという逆説か!

だがこの数奇に感謝しよう!

倒錯しているが相手にとって不足なし。

悪魔(ドラクル)たるこのヴラド三世が、そなたの首に牙を突き立ててやろうではないか!」

マシュ「竜種、来ます……!!」

「街の人たちを守るぞ!」

ヴラド「……うむ!

この状況でそれに気を配るとは、さすがは余のマスター。

時代が時代ならば、それは王の器と呼ぶに相応しい!

さあ、やるぞ!」