なるほど、一応は美の女神を名乗るだけあってシャムハトの事は認めているんだね、嬉しいよさようなら。

幕間の物語(男性鯖)

エルキドゥ「普通なら、森に直接『協力』してもらう所だけれど……

少し厄介だね、この土地と僕の力は相性が悪い。」

マシュ「相性、ですか?」

エルキドゥ「より正確には呪いに近いね。

今回の異変そのものと無関係ではあるけれど。

まあ、その呪いの元凶を土地から排除すれば、僕も全力(フルスペック)を発揮できると思うよ。」

「なんとなくこの後の流れが読めてきた」

ダヴィンチ「おっと、噂をすれば影という奴だ。

見知った霊基の反応がそちらに向かっている。

エルキドゥ君はとっくに気付いているだろうけれど。」

マシュ「え?

ですがこの霊基の反応は……。」

エルキドゥ「マスター、もう3歩ぐらい僕から離れた方がいいよ。」

「どういう事? な、何か嫌われることした!?」

エルキドゥ「逆はともかく、僕がマスターを嫌う事はないから安心してくれていいよ。

だからこそ、いますぐに離れて欲しいんだ。」

「攻撃!? その時、謎の矢弾が探検隊を襲う!!」

メフィスト「ヒハッ!

探検隊の先頭よりも先に進んでカメラを回す準備はバッチリでございますとも、マァスタぁー!」

エルキドゥ「…………やれやれ、僕もバカにされたものだね。」

マシュ「すごい……

空からの光弾を、エルキドゥさんが全て打ち払いました!」

エルキドゥ「マスターが側にいるとはいえ、殺気を搭載した上でこの程度の威力かい?

それとも、他の神々の後ろ盾が無ければ、君はこの程度のものなのかな?」

モリアーティ「なにこれ怖い。

急に声色が冷たくなったんだけど、エルキドゥ嬢(君)、突然どうしたんだい?」

???「まさか。

貴方みたいなポンコツをスクラップにするのに本気なんか出すわけないでしょう?

とはいえ、今は藤丸のおかげで魔力が安定してるようね。

その子に感謝しておきなさい。」

マシュ「あ、あなたは……。」

イシュタル「まったく……

なんて奴を連れてくるのよ、藤丸。

せっかく私の加護のおかげでこの時代が安定したっていうのに、全部台無しにするつもり?」

「女神イシュタル!?」

イシュタル「ええ、そうよ。

私の土地なんだからたまには敬意を払って名前の後に『様』をつけなさい。

ご利益があるかもよ?

ま、いいわ。

今は藤丸達の相手をしてる暇はないの。

今は、この土地の美観を損なうポンコツ人形を赤土になるまで砕いてから川に流さないといけないから。

せっかくシャムハトの外見を模倣しておきながら、その中身がアンタって時点で歪んだ悪夢よ。最悪だわ。」

エルキドゥ「なるほど、一応は美の女神を名乗るだけあってシャムハトの事は認めているんだね、嬉しいよさようなら。」

イシュタル「会話をぶった切りながら攻撃してくるんじゃないわよ!

土人形の癖に老獪な武術家みたいな不意打ちを……!」

ナーサリー「凄いわ!

光の束が空と大地の間でぶつかってる……!

これが『天地乖離す開闢の星』の物語なのね!」

メフィスト「おやおや、これは一発でも流れ弾が当たればマスターの人生はハイそれまでよ、というやつですねぇ!」

マシュ「ま、待って下さい!

落ち着いてくださいイシュタルさん!

そこにいるのはエルキドゥさんです!

以前にわたしたちと相対したキングゥさんではありません!」

イシュタル「……あのね、マシュ。

ちょっとばかり私を軽く見すぎじゃない?」

マシュ「えっ?」

イシュタル「そいつがキングゥじゃなくて本物のエルキドゥだって事ぐらい、最初から解ってるわよ。」

マシュ「でしたら……」

イシュタル「だから、念入りにここで殺そうとしてるんじゃない!」

マシュ「そ、そんな!」

ダヴィンチ「ああ、そうだろうねえ。

マシュも前に一度、2人のやり取りを見ただろう?

何しろ石碑に刻まれた神話の中でも、2人の仲は最悪だ。

顔を合わせればこうなるのは自明の理さ。」

イシュタル「魔神柱狩りの時は状況が状況だから見逃してあげたけど、私の庭をちょろちょろと……

自壊しに来たって事よね?

だったら、広い心で手伝ってあげるわ。

大人しくそこで腐って乾いて嘆いてもがき消えなさい♡」

エルキドゥ「ああ、君が相変わらず低俗な外道で良かったよ。

マスターの前だろうと堂々と排除できる。

もう、君の時代は終わった。

人類は既に新たな神を繋ぎとめたんだよ。

支配に拘る君はただの邪神だ。」

イシュタル「知った風な口をきくじゃない。

その人間の中に、貴方は含まれていないんでしょう?

貴方はあのろくでなしとはいえ、親友を得る事はできた。

でも、神々(私達)に背を向けた貴方の中に神はいない。」

エルキドゥ「僕はただのシステムだ。

神の加護も規範も、僕にはもったい無いものだ。」

イシュタル「ふーん……。

貴方、もしかしてまだ『あの子』の事を後悔してるの?」

エルキドゥ「……。」

イシュタル「よく見たら、あんたと一緒にいる英霊たち……。

なるほど、そういうことね。

呆れたわ。

口では自分がただのシステムだなんていってもやっぱりまだ『あの子』の最期に未練があるのね。」

エルキドゥ「……相変わらず、君は遠慮というものを知らないね。

全てが自分の物だと信じて疑わない神の傲慢の具現化だ。」