俺の心にはなくとも霊基が囁くのさ。 アンタに詫びを入れなきゃ、俺は前に進めない、と。

幕間の物語(男性鯖)

ジェロニモ「燕青がやるべきこと、とは何か。

そして呪腕の、君は一体何を知っている?」

呪腕「…………さて。

おいそれと話す事ではありませんが、状況が状況ゆえ、口を滑らせますが。

実はカルデアに居た頃、燕青殿が詫びを入れに来たことがありましてな。」

「新宿の一件……」

呪腕「その通りです。

よく覚えていらっしゃいました。」

燕青「いよっ、呪腕の旦那。

ちといいかい?」

呪腕「これはこれは、燕青殿。

いかがなされた?」

燕青「なに、詫びを入れておきたくてね。」

呪腕「詫び……?

はて、謝られるようなことは特に。」

燕青「どうも新宿で、俺がアンタに迷惑を掛けたようだ。」

呪腕「……なるほど。

確かに新宿の報告にはそのようなことが記載されていましたな。

私の名前が出ていたので、念のために目を通してはいましたが……。

貴殿が詫びるようなことではなかろう。

諜報に生きる者であれば変装、裏切りは必然ゆえ。」

燕青「かもしれねえな。

何しろ俺にも実感がない。

だが、俺の心にはなくとも霊基(にくたい)が囁くのさ。

アンタに詫びを入れなきゃ、俺は前に進めない、と。

そしてできれば——

あの新宿に戻って果たさなければならないと。」

呪腕「果たさなければならない……?」

燕青「ああ、罪を犯したならその分を労役で償うだろ?

それと同じさ。」

呪腕「……しかし、それはマスターと共に戦うことで充分に果たされているのでは?

労役をわざわざ新宿に求めることもありますまい。」

燕青「……ああ、そうだな。

確かにそうだ。

いや、まったく何ズレた考えしてんだか!

今の話は忘れてくれ。」

呪腕「……………………。」

呪腕「それきり、特に何もなかったので、私もあえて追求しなかったのですが……

こうして新宿に入り、あの時の所感を思い出しました。

顔では笑っているが心はそうでもなし、と。」