自室を異界化するだけでは飽き足らず、五十年引き籠もろうとするなんて! 今から姫同士として、とっちめに行きますからね!

幕間の物語(女性鯖)

——つまるところ。

ここなら、安穏として暮らせるのだ。

刑部姫「こーたつ、こーたつ。

こーたーつーむーりー♪

蛇の目でお迎え、嬉しくなーい♪

大体、雨の日に出かけることが間違いだってーの。」

——まったくその通り。

サーヴァントとして活動することなど、姫(わたし)の本文ではない。」

刑部姫「……いやいや、いやいやいや。」

もちろん、それでは良くないとわかっている。

わかっているのだけど。

バーサーカーが狂戦士であるように。

姫は『刑部(ひきこもり)姫』であることから逃れられない。

刑部姫「だから、たまにはいいよね。たまには。」

……ええと、あと二〜三十年。

五十年くらい? は大丈夫だろう。

マーちゃんがおじいちゃんになっても、まったく問題ない。

姫はまったく気にしないし——

刑部姫「え。

え、え、え。

ギャーーーーーーーー!?

なななな何!?

マーちゃんってばまた来たの!?」

清姫「来るに決まっているでしょう、このおバカ。」

刑部姫「よりによって、きよひーにバカって言われた!」

清姫「なぜ『よりによって』なのか、議論の余地はありますよ、おっきー。

……まあ、それはともかく。

あっさり五十年も引き籠もろうとするあたり、先天的人外のお姫様はどうも時間スケールがおかしい。

その点、わたくしは後天的人外ですのでますたぁとは呼吸の秒数まで同じですよ、数えているので確実です。」

「……………………(凄く間をとって、)うん!」

清姫「その長い沈黙に、さてどのような想いが籠められているのか、あとで確かめたく存じます。」

刑部姫「ちょ。

何よ勝手にーーー!」

清姫「勝手なのはそちらです。

自室を異界化するだけでは飽き足らず、五十年引き籠もろうとするなんて!

今から姫同士として、とっちめに行きますからね!」

刑部姫「こーーわーーいーー!

やだー!

来るなら来てみろやってやんぞー!」

清姫「もう。

我が友ながらお恥ずかしい……。

あの二面はどちらも『嘘』ではありません。

怖い、引き籠もりたい。

それは正しく彼女の本音。

そしてその一方で来るなら来いと闘志を窺わせる。

あの自信は以前はなかったもの。

……分かりやすく申し上げますと。

ますたぁのサーヴァントになったことを、あの姫(こ)も、ちゃんと誇りに思っているのです。

まあ、その自信が妙な方向にねじ曲がっていくのも、やっぱりおっきーらしいですけれど。

では。

天守閣に向けて、まっしぐらに参りましょうか。」