これを愚かと言わずなんと言う! 何一つ救わないではないか!よいかマシュ。悪心であれ愚者であれ、その行為は必ず何かの益になるのだ。

幕間の物語(男性鯖)

ギル「亡者共も懲りぬな。

飛んで火に入るなんとやらだが——む?」

ロマニ「!

気をつけてくれ、特大の魔力反応だ!

まだ炉心が生きていたのか!?

とにかく、A級サーヴァントクラスのヤツが来るぞ!

藤丸君、マシュ、気をつけて!」

ギル「ほう、死してなお現世に執念を残すのは人間だけではないと見える。

これは夢の残骸。

大いなる発展の夢、輝かしい世界を目指したモノたちの断末魔だ。

よかろう、我が手を下す価値がある。

藤丸よ、気を改めろよ?

さきほどの医師の言葉通りだ。

貴様がこやつを見事倒したのなら褒美をやろう。」

(戦闘後)

ギル「倒したか。

戦ってみれば面白みのない怪物だったな。

停止した機械に憎しみが宿る筈もない。

今のは、この大聖杯を作り上げた馬鹿者の妄念だ。」

ロマニ「英雄王、それはどういう……?」

ギル「貴様らカルデアが探し求める敵。

人類史を焼こうという馬鹿者の憎しみ、という事だ。

我は此度の戦いにはいまいち興が乗らぬ。

黒幕とやらの正体もどうでもよい。

だが——これだけは口にしておこう。

藤丸よ。

貴様が追うモノは憎しみの化身だ。

言うまでも無いが、憎しみには種類がある。

正義から生まれる憎しみ。

愛情から生まれる憎しみ。

妬みから生まれる憎しみ。

怒りから生まれる憎しみ。

この憎しみは——

そうさな。

たとえようもなく愚かな憎しみだ。」

マシュ「愚かな憎しみ、ですか……?

あの、憎悪は総じてよくないものです。

一般的な観点からすれば憎しみに良いも悪いもない。

王さまは何を根拠に、それが愚かだと言うのです?」

ギル「たわけ。この有様を見よ。

何一つ生み出さず、何一つ達成しない無為の極地。

これを愚かと言わずなんと言う!

何一つ救わないではないか!

よいかマシュ。

悪心であれ愚者であれ、その行為は必ず何かの益になるのだ。

だが中にはこのような憎しみが存在する。

何も残さないこと

それだけに執着した愚か者がな。

……まあよい。

いずれ貴様らはこれと対峙するのだ。

その時に思い出すがいい。

貴様たちが何を守るために戦っていたのかを。」

マシュ「…………。」

ロマニ「たまに意味ありげなコトを言うから困るよね、この王様は。

ま、こっちも気持ち半分で覚えておこう。

それじゃ戻ろうか、藤丸君。

王様はこれで気分が晴れたみたいだからさ。」

「……あの……ご褒美は何なのでしょう?」

マシュ「あ。

そうでした、王さまからの褒美です。

今の怪物を倒せば報酬がある、とのコトでした!」

ギル「たわけ。

我が約束を違えるか。

褒美は既にくれてやった。

次の戦いがあれば否が応にも理解しよう。

まったく。

みなまで言わせるな、無粋であるぞ。」