「黒髭とか。」「あの変態の名前は初手でブラックリスト入り! 逆にあいつだけは絶対入れない会だよここは!」

幕間の物語(男性鯖)

メアリー「いざ征かん、まだ見ぬ財宝が待つ紺碧の大海原へ!」

アン「隠された無人島、地図に示された髑髏の印、武装していない呑気な商船……。

そんな夢のような言葉の数々に、このカルデアの中で最も近いのがここ!」

「海賊会……!? パイレーツ・オブ・カルデアン……」

コロンブス「よう、招待ありがとさん。

とりあえず顔を出しに来たぜ。

二人だけか?

あのイングランドの船乗り……

フランシス・ドレイクっつったか。

そいつもいるってこの招待状には書いてあるが。」

メアリー「うん、もちろんドレイク船長もメンバーさ。

今は昨日の酒盛りがたたって寝てるけどね。」

アン「お会いになりたかったのでしたらすみません。

でもまあ、これから機会はいくらでもありますし?」

メアリー「あーでも、ドレイク船長はスペインの艦隊をボコボコにしちゃったんだっけ。

ひょっとしたら逆? 会いたくなかった?」

コロンブス「いいや、あちらさんがどう思ってるかは知らねえが、俺は別に国同士の因縁はどうでもいいぜ。

金出してくれたからエスパーニャをケツ持ちに選んだだけだしよ。

あの国に魂を売ったわけじゃねえ。

ドレイク船長とは……ハッハ、確かにいっぺん心ゆくまで酒を酌み交わしてみたくはあったがな。

楽しそうだよなァ……色んな意味で、何が起こるかわかんなくてよォ……ククク……。」

マシュ「え、ええと、その!

一つ質問、よろしいでしょうかっ?

アンさんとメアリーさんが海賊会なるグループを作っていらっしゃる事には驚きませんが……。

そもそも、そこはいったい何をする会なのでしょう。

レイシフトするならともかく、カルデアの中に海はありませんよ?」

メアリー「知ってる。

だからせめて気分的には海賊らしく在れる場所を作ろうかなって思っただけさ。」

アン「擬似的な海賊酒場というか……

これまでの航海の話を持ち寄って酒の肴にする場所、というか?

何でもいいのです。

馬鹿話だったり自慢話だったり、ただ昔を懐かしむ話だったり——」

メアリー「もし新しい宝の情報があれば、それを交換したりしなかったり出し抜いたり出し抜かれたり。

そんな海賊らしいやりとりを楽しむ会でもあるよ。」

マシュ「は、はぁ……なるほど……?」

メアリー「とにかく、来てくれたのは嬉しい。

歓迎するよ、クリストファー・コロンブス。」

アン「私たちが駆け回っていた『カリブ海』という舞台そのものをある意味では発見したお方です。

大先輩も大先輩ですわね。

島についてからはともかく、航海については聞きたい話もいっぱいありますわ?」

コロンブス「あー……まあ、その、なんだ。

言いにくいんだが、俺は入会を断りに来たんだ。

海賊会には入れねぇ。悪いな。

マスターとマシュについてきてもらったのも、その仲介人みてぇなもんでな。」

「みたいですよ」

メアリー「えー! なんで!」

コロンブス「逆になんで俺を入れたがるんだよ。

他にもいるだろ……ほら、あいつ。黒髭とか。」

メアリー「あの変態の名前は初手でブラックリスト入り!

逆にあいつだけは絶対入れない会だよここは!」

アン「まあ、それも理由の一つではあるのかもしれませんね?

だからこそあなたに入会いただきたいというか。」

マシュ「どういうことでしょう?」

アン「多分、あちらはあちらで徒党を組むでしょう。

黒髭船長は世紀の大変態ですけど、まぁ海賊的には一流と言わざるをえないですし。超変態ですけど。」

「(二回言った)進化する……黒髭……!」

メアリー「それに、これからカルデアにまた別の海賊が召喚される可能性もないワケじゃないだろ?

もしあの小心者のラカムとか、キャプテン・キッドやイケメンバーソロミューが召喚されたら……

腹が立つけど、彼らは黒髭のほうにつくかもしれない。」

アン「そう!

ですから、今のうちに優秀な船員を確保しておかねばというワケです。

キャプテン・ドレイクとクリストファー・コロンブスの二人がいれば人気も実力もお釣りが出ます。

つまりカルデアという海は私たちのものに!」

コロンブス「んー、そもそも、だ。

お前さんたち、根本的なことを取り違えてんじゃねぇか。」

アン&メアリー「?」

コロンブス「俺は海賊かなぁ? 違うんじゃねぇかな?」

メアリー「な。なに言ってるんだよ!?

未知の島を見つけて好き放題に略奪とか!

誰がどう見ても海賊だろ!」

アン「そもそも、あなたは若い頃は私掠船に乗っていたのでは?

それは間違いなく海賊行為をしたという事でしょう。」

コロンブス「ウーン、うんうん。まぁそうだな。

否定はしねぇよ、若い頃の事は。

だが、だからこそ今の俺は言うんだ。

はっきりお前さんたちに言ってやるしかねえんだ。

免許のない海賊行為は犯罪だぞ?」

アン&メアリー「……は?」

コロンブス「当然だろ。

だからそれが断りの理由だぜ。

海賊じゃないのに海賊会に入って誤解されるのは避けたいって話さ。

悪い事してねぇのに捕まりたくはねぇもんな。

そう、俺は海賊行為も悪い事もしてないのに捕まっちまった事があってな。

鎖に繋がれたときの事を思い出すと、今でも泣けてきちまうぜェ……。

俺はただ必死に植民地を統治しようとしてただけなのによぅ。」

メアリー「ち……ちっちゃい!

お縄を恐れて海賊なんてできるもんか!

どうしようアン、海賊の大先輩だと思ってたのに予想外に臆病者(チキン)だよ!?」

アン「何か誤魔化されているような気もしますけど!

これは——海賊らしく、実力行使で性根を叩き直してさしあげるのが正解かもしれませんわね?

そうすれば私たちが求めていた理想のコロンブス、海賊の大先輩としてのコロンブスに目覚めてくれるかもしれませんし。

ショック療法というやつです!」

コロンブス「おっと、素直に入会を断らせてもらえねぇようだな……やれやれ。

悪いなマスター、出番だ。

こじれた話し合いの仲裁、よろしく頼むぜェ!」

(戦闘後)

アン&メアリー「うう……。」

コロンブス「悪いな、嬢ちゃんたち。

誘うならもっとふさわしいヤツにしときな。」

マシュ「本当にいいのですか?」

コロンブス「仕方ねえだろ?

何度も言うが俺は海賊じゃねぇんだからよ。

とにかく、これで一つ片付いたな。

ありがとさん、マスター。

さて、それじゃあ次のグループのところへ向かうか。

悪いがこっちも一筋縄じゃいきそうにないぜ……?」