どのような竜であろうと我らの手で滅ぼされなかった竜はおりません。即ち、竜とは滅ぼされるべくして竜となるのです。

幕間の物語(男性鯖)

マシュ「ここが次元の歪み……。」

フォウ「フォーウ。」

ロマニ「どうやら無事に転送できたみたいだね。

それにしてもこれは……、ちょっとした異世界だね。」

ゲオルギウス「珍しい現象ですが、たしかに周囲の構造物から竜の因子を感じます。

記憶がてら一枚、頂いておきましょう。」

マシュ「カメラ……ですか?」

ゲオルギウス「ええ、マスターに譲っていただいたものです。

私の時代には無かったものですが、眼に映るものを瞬時に絵に出来るとは実に素晴らしい秘蹟です。

はじめはただ絵に収めるばかりでしたが、最近は構図にも凝っていまして。

ほら見てください、この新しいレンズ。

いや、写真というのは、なかなかに奥深く深淵です。」

「喜んでもらえてうれしいよ」

ゲオルギウス「素晴らしい贈り物をありがとうございました。

このお礼は我が剣にて返させて頂くとしましょう。」

(戦闘後)

マシュ「やりましたね、マスター!!」

「これで終わりかな?」

ゲオルギウス「いえ、これはドラゴンといっても下級のワイバーンと呼ばれる種類のものです。

さすがにこの種の飛竜に異空間を維持するほどの魔力の生成は不可能です。」

ロマニ「確かに倒したのに空間に異常はないね。

えーと、反応の方は……、な、なんだこれ!?」

ゲオルギウス「……来ましたよ、皆さん。

カメ……いえ、戦闘の用意を。」

ロマニ「凄い反応だ……、普通のドラゴン、いやドラゴンに普通も何もないけど、通常の竜種の三倍近くの反応だぞ!?

一体どうなってるんだ!?」

マシュ「突然変異とか……、そういった類の物でしょうか?」

ゲオルギウス「いえ、そんな生易しいものではなさそうです。

この感じ、おそらく取り込んだのでしょう。」

「食べたってこと?」

ゲオルギウス「ええ、同種を食べる竜は私も初見です。

——能力は高くとも知性は最低級のものでしょう。

とはいえ、希少種には違いなく。

一枚、頂いておきましょう。」

ロマニ「そういうのいいですから!?

それにしても、他のドラゴンを食べたって……

存在そのものが魔力の塊であるドラゴンを喰らうドラゴンって……滅茶苦茶だぞコイツ!?」

マシュ「ゲオル先生!! どう対処しましょう!!」

「ゲオル先生って……」

ゲオルギウス「落ち着いてください。

落ち着くのですマシュ。

ゲオル先生ではありません。

ゲオルギウス先生です。

そしてどのような竜であろうと我らの手で滅ぼされなかった竜はおりません。

即ち、竜とは滅ぼされるべくして竜となるのです。

汝、竜なり、罪ありき!!」

「行きます、マスター!!」

(戦闘後)

ゲオルギウス「これで終わりです、力屠る祝福の剣(アスカロン)!!」

マシュ「や、やりましたか……。」

ロマニ「いやー、それにしても強敵だったね。

おっと、空間を維持していたドラゴンが消えたから歪みが閉じかけてる。

回収するからみんな準備してくれ。

えーと、回収座標を固定してと……。」

ゲオルギウス「——名もなき異界の竜よ。

せめて安らかに眠りなさい。」

「竜は罪ありきじゃないんですか?」

ゲオルギウス「滅ぼされるべくして生まれ、罪ありし竜といっても滅ぼされて当然というものではないのです。

——罪と罰とは、本来別のものなのですよ。」

マシュ「先輩、そろそろ行かないと歪みが閉じて……。」

「よし、帰ろう!!」

ゲオルギウス「ええ……。

あ、最後にもう一枚だけ……。」

ロマニ「それはもういいですから!!」

フォウ「フォーウ。」