ボクはあのボクとはちがいます。気に入らないからってすぐ手を出したりはしません。ほんと、あの人は子供みたいで最低ですよね。

幕間の物語(男性鯖)

子ギル「……いいですねぇ……。」

マシュ「あ……すみません、少しぼうっとしていたようです。

『いい』とは……?」

子ギル「いえ、何でもないですよマシュお姉さん。

今のは個人的感想です。」

マシュ「ま、マシュお姉さん……?

なんだか新鮮な呼ばれ方です。」

子ギル「おや、嫌でしたか?

これは失礼しました。

耳障りでしたら変えますね。」

マシュ「いいえ、嫌というわけでは。

少しびっくりしただけです。」

子ギル「それならよかった。

ああ……考えてみると、ここはよかったコトだらけですね。

何よりもまず、ボクを喚んでくれたのがよかった。」

マシュ「はあ……それは、どういう……?」

子ギル「成人したボクじゃなくてよかった、という意味です。

今回はどうにもおかしなコトになってるみたいですから、ひょっとしたらあっちが同時に喚ばれる事もあるのかもしれないですけど。」

ロマニ「あー……

キミに関してはこちらとしても扱いに迷うというか……

とりあえず、何と呼べばいいんだろう……?

いや待て、安全第一に行くなら、まず言葉遣いから……

何と呼ばせていただくべきなのでしょうか、か——!」

子ギル「イヤだな、そんなに緊張しないでくださいドクター。

ボクはあのボクとはちがいます。

気に入らないからってすぐ手を出したりはしません。

ほんと、あの人は子供みたいで最低ですよね。」

ロマニ「(……この姿の自分にこんなこと言われてるとは、最古の英雄王も想像してないだろうな……)」

子ギル「何にしても、ボクのことは気さくに……そうですね。

ギルくんとでも呼んでください。」

「よろしくお願いします、ギルくん様!」

子ギル「嫌だなあ、マスター。

ボクはただのいちサーヴァント、いちアーチャーですよ。

普通にしてください、普通に。」

マシュ「ではわたしも……よろしくお願いしますね、ギルくん。」

子ギル「はい。

いやあ——ここにあるもう一つの『よかったこと』をまた思い出してしまいました。

本当に、改めて言いますけど、よかったです。

マシュお姉さんのような素敵な人に出会えて。」

マシュ「え……?」

子ギル「ボクは女性を見る目にも自身があるんです。

成人したボクでは、きっとマシュお姉さんの美しさには気付かず——

……いや、でも、どうかな。

部分的に引っかかるものを感じたりはするかもしれませんね。

なんとなくそう思うだけで、理由はまだ言語化できませんが。

うん、まあ、とにかくマシュお姉さんの可憐さはとてもボク好みです。

少し大人しすぎるきらいはありますけど。」

マシュ「か、からかわないでください、ギルくん……。」

「マシュが可憐なのは前から知ってるぞ!」

マシュ「先輩まで!」

ロマニ「はは。

いいじゃないか、ストレートな褒め言葉だ!

素直に喜んでいいんじゃないかな?

女の子として悪い気はしないだろ?」

マシュ「そういう問題では……。」

ロマニ「ん? ちょっと待った、これは——

敵だ!」

マシュ「どうやら、話をしている状況でもなくなったようですね。」

子ギル「あーあ、せっかく可憐な花を愛でていたところだったのに。

空気を読まないなあ……。

でも、これもいいことに含まれますね。

この通りボクは子供ですが、喚ばれたからには戦力に数えられるところを証明できます。

(それに——確かめておきたいこともある。

彼女という花の美しさが何に困っているのか。

その答えによっては——)」