他社の意図、他者の思惑など知ったことではない。ただ、俺自身がそうありたいと願うのだ。俺の夢は——正義の味方だ。

幕間の物語(男性鯖)

ジークフリート「お前は……!?」

???「驚くことはないだろう。

この『ラインの黄金』を手に入れたのはお前だけではない。

俺もまた、お前を殺害して獲得したのだ。

このハーゲンがな。」

マシュ「ハーゲン……確か、ジークフリートを背後から討ったという……。

『ラインの黄金』を触媒として召喚されてしまったようですね。」

ハーゲン「その通り。

もっとも、俺はこいつに頼まれただけだ。

なあ、我が友よ。」

ジークフリート「……俺を友と思うのならば、そこを退いてくれ。

ハーゲン。」

ハーゲン「断る。この宝は俺のものだ。

お前を殺し、俺が手に入れた。

クリームヒルトのようなあばずれに渡すものか。

お前のように、死を選んだ臆病者に渡すものか……!

この金は! この財宝は!

何もかも全て、俺のものだ……!!」

ジークフリート「——何と言おうと、言い訳にしかなるまい。

確かに俺は臆病者だ。

踏み留まって、打開するべきだったのだろう。

あの悲劇は俺の画策したものではないが……。

それでも、俺に責任があるのは間違いない。

……しかし、だ。

『ラインの黄金』は回収させて貰う。

我欲ではない。

それが正しいと信じるからだ。」

ハーゲン「——ハハ。

何が正しいのかも分からぬままに剣を振るっていた男がよく言う!」

ジークフリート「お前の言う通りだ。

俺は生前、何が正しいのかも分からぬままに剣を振るってきた。

……だが、最近の俺はようやく俺の正しさを見据えることができるようになってきてな。

俺の望み、果たさせて貰うぞ——ハーゲン!!」

(戦闘後)

ハーゲン「——フン、滅びるか。

それもいいだろう。

こんな黄金、元より欲しくはない。」

ジークフリート「何だ、単なる八つ当たりか。」

ハーゲン「それ以外の何だと思った?

……俺は貴様と、酒を酌み交わして愚かな話に興じていれば幸福だった。

なるほど、あの状況でお前を背中から襲えたのは、俺しかいるまい。

信頼できる俺の刃で、というのも分からなくはない。

だが——

それが、俺の心を痛めつけることになるとは想像しなかったのか。

お前の妻、クリームヒルトを激怒させるとは思わなかったのか?」

ジークフリート「……そうだな。

どうも俺は人の心に疎かった。

いや、何より——

頼まれたのだから、仕方あるまいとそう思っていた。

あまりにも、何もかもに興味を持たなかった。」

ハーゲン「お前は己の命、己の希望、何より欲望をないがしろにしすぎた。

お前自身はそれでよくとも、周囲が我慢できぬことに気付くべきだったな。」

ジークフリート「……ああ。」

ハーゲン「では問おう。

——今のお前に、望みはあるか?」

ジークフリート「あるとも。

前から決めていたことだ。

この第二の生では——

俺は正義を守り、正義を誇ろう。

他社の意図、他者の思惑など知ったことではない。

ただ、俺自身がそうありたいと願うのだ。

俺の夢は——正義の味方だ。」

ハーゲン「……ふん、何ともお前らしい稚気に溢れた夢だ。

だがいいだろう。

『ラインの黄金』はお前に任せる。

お前なら、正しく扱えるはずだ——。」

ジークフリート「マスター、これが以前言えなかったことだ。

俺はあまりに自身をないがしろにし、結果悲劇を起こした。

それを繰り返しはしない。

正義の味方となって、それを防ぎたい。

そう願うのは……おかしいだろうか。」

「全然。おかしいことではない」

ジークフリート「……ありがとう。

マスター、これからもよろしく頼む。」