朗読劇、ボイスドラマ、おやすみCD、おはようCD、添い寝、語り部散歩…よくわかりませんが、死んでしまいます…。

幕間の物語(女性鯖)

シェヘラザード「では……

七つの特異点、その最後となった舞台に向かいたいと思います……」

マシュ「…………。

(シェヘラザードさんは、もしかして……

わたしたちが体験した旅を理解する事で、ご自分により深い責任を負わせようとしているのでしょうか……

でも……それは……)」

ロマニ「でもまあ、人間の生きる意味とか価値とか、そんなものはないよ? 

最後までね。」

マシュ「最後まで、ですか?」

ロマニ「ああ。

意味なんてものを問いだしたら、それこそあらゆるものにない。

だって、意味はあるものではなく、後からつけられるものだからだ。

意味を持たないまま人間は生まれ、育ち、寿命を迎える。

そうして終わった時にようやく、その生命がどういうものだったのか、という意味が生まれる。

これを人生と言うんだよ、マシュ。

ボクらは意味の為に生きるんじゃない。

生きた事に、意味を見いだす為に生きているんだ。」

マシュ「——はい。

わたしも、そのように生きたいと思います。

ありがとうございます、Dr.ロマン。

貴方がわたしにかけてくれた全ての親切に、感謝します。」

ロマニ「——。」

マシュ「あの、シェヘラザードさん。

……見当違いの意見なのかもしれませんが、わたしからの所感を伝えてよろしいでしょうか……?

シェヘラザードさんはご自分を『英霊に相応しくない』とお考えかもしれませんが——

それは違うと、わたしは思うのです。

死にたくないと願うあなたは、けっして、死にたくないと願うだけのあなたではありません。

あなたは語り手。

その言葉のみで凶王の蛮行を押し止めた、おそらく世界で最も有名な『物語という道具』の使い手です。

それを……何と言うか、ちゃんと伝えておいたほうがいいような気がして……。」

シェヘラザード「…………。

ありがとうございます。嬉しいです。

……ですが。だからこそ、なのです……

私が……口にした……責任が……。」

「……………?」

シェヘラザード「……いえ。

それでは、最後の人理修復作業。

第七の特異点での物語を、始めてくださいませ。」

シェヘラザード「紀元前2655年。

そこは神代の終わり際、魔獣の蔓延る古きウルクの地——

なるほど、現地で最初に会った第一ウルク人が、既に神だったのですね。

矛盾した言葉ですが。

さすがは神の時代から人の時代への過渡期。

何があるか予測できません。

驚きの展開です……。

次に会ったのも、名高き神造兵器エルキドゥ。」

マシュ「正確にはエルキドゥさんではなかったのですが……。

ともあれ、そこでわたしたちはウルクの民を襲っている存在、『三女神同盟』の事を知ったのです。」

シェヘラザード「貴方がたは首都ウルクへ向かい、そしてまた様々な出会いを果たす——」

「謎の猫科とも出会いました」

シェヘラザード「相対するは数多の魔獣。

三女神同盟の首魁を名乗るものがそれを率いていた——」

マシュ「牛若丸さんやレオニダス王が身を挺してくださらなければ、侵攻を押し止める事はできませんでした。

まさに魔獣の女王、というような存在で……。」

シェヘラザード「ですが再侵攻までの間に、貴方がたは他の女神たちからの助力を得る事に成功した。」

「そしてギルガメッシュ王が不幸な死を……」

シェヘラザード「過労死、ですが……。

恐ろしい話です。

どんな英雄であろうとも、人は働きすぎれば死んでしまう。

非常に重要なモデルケースです、忘れないようにしなければ……。

具体的に言うと獣耳の女王が私のスキルを利用したいと商売に誘ってきたときに忘れないようにしなければ……。

朗読劇、ボイスドラマ、おやすみCD、おはようCD、添い寝、語り部散歩……

よくわかりませんが、死んでしまいます……。」

「ファンなので楽しみです」

(震えるキャスター)

マシュ「いけません、マスター!

過労死するから働きたくないという話ですので、断り辛い方向に持っていくのはどうかと!」

シェヘラザード「と、ともあれ……

次に行われたのは、ギルガメッシュ王を生き返らせるための冥界下り。

三女神同盟の一柱、エレシュキガルの助力を得る事に成功し、地上へ帰還する——お見事です。

そして貴方たちはゴルゴーンとの決戦に臨み、勝利する——」

マシュ「……ですが、真の脅威がその勝利の結果として生まれてしまったのです。」

シェヘラザード「ティアマト神の黒泥——

触れたものを怪物と化す滅びの洪水が、ウルクの地を侵し始めたのですね。

それだけでなく、ティアマト神そのものも現れ……

ウルクに向けて進み始めてしまった……。」

マシュ「そこからは……

正直に言って、無我夢中でした。

災害の獣、ビーストⅡとの戦い。

誰もが全力を尽くしました。

ギルガメッシュ王、女神達、ウルクの民、カルデアのスタッフ、ドクターにダ・ヴィンチちゃん……

思いもしなかった方々の、手助けも。

勝利を掴む事ができたのは、それら全てがあったからこそだと思います。

どれか一つの要素が欠けても、きっと今わたしたちがここにいる事は出来なかったでしょう。」

シェヘラザード「ああ……

心から、受け止めています。

貴方がたが死力を尽くして乗り越えた、災害の獣との戦いの物語を。」

「まさか……」

シェヘラザード「……?

ええと、その、ご心配なく。

私の物語でも、さすがにビーストの紛い物を形作る事は叶いません。

——代わりに、この特異点にてもっとも貴方がたと縁を深めた方々を、ここに改めて物語らせていただければと思います。

第七の特異点は、世界と人と神、そしてそれら全てを飲み込まんとしたもののお話。

恐ろしい滅びに襲われながらも、諦めずに抵抗を続けた人々の意志の輝きがそれを打ち払った、今までで最もスケールの大きかった叙事詩です。

それを呼吸すら忘れながら一気に読み終わってしまったならば、すぐに佳境部分(クライマックス)に読み戻ろうとするのは無粋でしょう。

余韻に浸りながら、登場人物の一人一人に思いを馳せる事でも。

物語は、きっと、深く咀嚼できるはずです——」