「乗っているのは男よ、男。ライダーだもの、当然でしょ?」「——え、あの。それは、あの。あの…!」

幕間の物語(女性鯖)

マシュ「あの、メイヴさん。

わたしからも一つ、よろしいでしょうか?」

メイヴ「ん、なに?

面白い質問なら答えるわ。でも手短にね?」

マシュ「は、はい。努力します。

いまご自分で仰られた通り、メイヴさんはライダー……ですよね?」

メイヴ「そうよ、私のクラスは騎乗兵。

毎日だって毎晩だって乗りまくりだわ。

それが?」

マシュ「いえ、その……

普段は杖……のようなもので戦っているので、メイヴさんもキャスターなのでは、と。

宝具で戦車を呼ぶところは見ているのですが、あれも何が起きているのかよく分からなくて。

相手を弾き飛ばしている訳でもなし、いったいどのような攻撃なのか、疑問だったのです。」

メイヴ「え? そう?

見たいの? 見る?」

ロマニ「ばっ——

今さらその問題に踏み込むのかいマシュ!?

ランスロットさんにボクが叱られるかもだ!」

フォウ「フォウフォウ、フォーーウ!」

「マシュ、それ以上いけない」

マシュ「いえ。

共に戦うサーヴァントの戦法を把握しておく事は生存率の上昇に繋がります。

先輩のためにも、ここで明らかにしなければ!」

メイヴ「戦車の中で何が起きているかなんて、言うまでもないでしょ。

私は女王メイヴ。兵士たちの母。

クラスがライダーなのは戦車に乗るからじゃないわ。

乗っているのは男よ、男。

ライダーだもの、当然でしょ?」

マシュ「——え、あの。

それは、あの。あの……!」

メイヴ「とっても面白くて気持ちイイわよね、アレに乗るのって。

支配してるって感じが最高!

乗られるのも嫌いじゃないけど、やっぱり主導権は自分が握りたいじゃない?

それが逞しい戦士なら言う事なし、もう首輪をつけたくなるぐらい興奮するわ!

だってアレよ?

強い戦士であればあるほど私の肢体も乱れるのよ?

細胞から煮えたぎって、頭の中もいろんなものが分泌してぐらんぐらんになって——

もう、その度に自分が生まれ変わる気分なの!

一度知ったらやめられない蜂蜜のようなものよ!

そう、ほんっと、男の喜びなんてちっちゃいわ。

可哀想に思えるぐらい。

戦士は敵を殺すだけ。

そんな快楽なんて、産む快楽に比べれば些細なものよ?

だから私は逞しい戦士が好き。

いい戦士に出会える戦場が大好き!

これだけは私が何者になろうと変わらない真実よ。

私は戦車に乗って、男に乗って、そして戦場に乗る女。

それが侵略者である女王メイヴの在り方だもの。

どう? 納得したかしら?」

マシュ「は、はい……

よく分かりませんが、メイヴさんの発言は記録できました。

ですが、その……産む、という事は……

メイヴさんにはお子様がいらっしゃるのでしょうか?」

メイヴ「ええ。

もう数え切れないぐらい産んだわ。

なんたって国の礎だもの。

守るために絶対必要。」

「子供好き……なんですね……?」

メイヴ「? 別に好きじゃないけど?

育てるのとか超めんどいし。

そういうのは別の人に任せればいいの。

いま言ってるのは、女はガンガン男に乗ってガンガン産むべきってこと。

気持ちいいし必要だから!

あ、でも、そっか。

ごめんなさい、説明が一つ抜けてたかも。

私の“兵産(うむ)”と一般的な“産む”は別のものだって話、してないわよね?」

マシュ「はい、してません。

そのあたり、詳しく。」

メイヴ「私、見ての通りコノートの女王でしょ?

だから兵士を産むのと跡継ぎを産むのは別なのよ。

兵士なら元になる戦士の体液があれば複製できる。

相手を戦士に連れ込んで、肌を交わして、その後に人差し指を切って、血を大地に垂らす。

そうすれば私の可愛い兵士のできあがり。

即席のホムンクルスみたいなものね。

私に逆らわない、私だけの兵士の完成ってワケ。

ま、元になった戦士ほど強くはないのが欠点だけど、そこは量で補うのがメイヴ流よ。

分かった?

これが私の戦い方。

だから、その……

跡継ぎの話は別よ。

こっちは、ほら。なんていうか……

私が心身ともにぞっこんになる相手じゃないと、恵まれないものでしょう?」

ロマニ「(予想外の乙女発言だ……!

この倫理観でこの乙女力、これは確かに面倒くさい……!)」