たとえ、その存在がうたかたの夢といえども——いえ、儚い泡のようなものだからこそ。彼女は己の力だけで、空に浮かび上がりたいのでしょう。

幕間の物語(女性鯖)

暗く、暗く、光のない深海で、私という存在は呱呱の声をあげた。

製造目的は明瞭で。

嗜好は最悪だった。

誰が言った言葉だったか。

復讐こそは蜜の味。

——だが、私は敗北した。

瞬間、全てが無意味となる。

私の存在も。

私の生命も。

私の精神も。

私の概念も。

だから、私はまさしく零から始めなければならなかった。

???「そも、エクストラクラスとは各役割を背負った通常クラスの枠から外れたものですが……。

——中でも、アヴェンジャーは極めて特殊なクラスです。

ルーラーは聖杯戦争の管理という役割が異質ですが、アヴェンジャーはクラスそのものが異質と言えましょう。

そして更に、“彼女”は存在そのものも異質です。

願望機、聖杯によって生み出された彼女——。

ジャンヌ・オルタはジャンヌ・ダルクという英雄に寄りかかることで、世界に許されている存在です。

彼女の第2の生誕がどのようなものだったかは、いずれ語られる事もあるでしょうが、それはともかく。

聖女たるジャンヌ・ダルクに寄りかかる状態など、彼女には我慢できないことでしょう。

たとえ、その存在がうたかたの夢といえども——

いえ、儚い泡のようなものだからこそ。

彼女は己の力だけで、空に浮かび上がりたいのでしょう。

いやいや、まったく。

根が馬鹿真面目な部分は全く変わっていませんね。

マスター、精々彼女を上手に導いてあげてください。」