義務…そうか、おまえはこれを…義務だと…。我らはおまえを憎み、呪い続ける。しかしておまえは憎まないのか…。

幕間の物語(女性鯖)

幽霊「……うう……なぜ……なぜだ……!

わたしは……おお……おおおお……。

ころせ……ころすのだ……。

まもら……なくては……。

かみは……なぜ……。

あのような……。」

ジャンヌオルタ「何ておぞましい空気かしら。

自分が受けた悲劇を、ただただ嘆くだけの亡者ども。

さあ、立ち上がれ!

私はここにいる!

嘆いてないで、戦うがいい!

生前には存在しなかったその力で、今度こそ私に罰を与えてみるがいい!」

マシュ「……あ、あの……。

ジャンヌ・オルタさん、一体これは……!?」

幽霊「きさま……きさまか!

おのれ……おのれおのれおのれおのれれれれれ!!

しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね!!!」

クー・キャス「馬鹿、挑発しすぎだ!

見ろ、融合しちまったぞ!」

ジェロニモ「……彼女への恨みが増幅して怪物に成り果てたな。

だが、これは……そうか。

おまえは彼を救いに——

いや、野暮な話だな。」

(戦闘後)

幽霊「……さま……。

お……ま……えが……。」

ジャンヌオルタ「かろうじて自我が残っていましたか。

シャルル七世。」

マシュ「……!」

幽霊「ジャン……ヌ……貴様……。

無辜の……市民を……手に掛けるとは……。」

ジャンヌオルタ「ええ、その通り。

だからもう一度、手に掛けたのです。

これだけは、どんな高潔な英雄にも、どんな悪逆を平気で行う反英雄にも任せられなかった。

あなたも、あなたを慕う配下も、市民も、全て全てあの私が殺したもの。

正当化するつもりも、贖うつもりも、罰せられるつもりも、楽しむつもりもない。

私はサーヴァントとして、当然の義務を果たすだけだ……!」

幽霊「義務……そうか、おまえはこれを……義務だと……。

我らはおまえを憎み、呪い続ける。

しかしておまえは憎まないのか……。」

(消滅する音)

ジャンヌオルタ「…………。

知っていますか、マスター?

あなたが知る史実通りであればシャルル七世は、私の——いえ。

ジャンヌ・ダルクの死後18年経ってから、復権裁判を開いたのです。

彼女がいかに純朴で、真っ当で、そして彼らのためにどれほど命懸けで戦ったか。

そんなことを証言させ、かつての処刑裁判の判決を引っ繰り返すのです。

……それは、贖いなのかしら。

それとも、単なる罪悪感の発露なのかしら。

あるいは、救おうと願っていたのか。

……死んだ今となっては、何もかも暗黒の淵だけど。」

クー・キャス「ま、そんな心情を知っていたところでどうにもならないのが人生ってモンだ。

テメエだって、知りたくなんかないだろ?」

ジャンヌオルタ「そうね、その通り。

知りたくもないし、知ったってどうだっていい。

それはむしろ、聖女の方が喜ぶ……。

いや、アイツも喜ばないか。

死後の評価をうじうじ気にするようなタチでもないし。

というか、生前の評価も気にしてなかったっぽいし。」

ジェロニモ「敬意はどうあれ、結末は正しい場所へ収まった。

重要なのはそれだ。

そしておまえは、誰にもこの経緯を渡さなかった。

誰が結末を正そうとも変わりはないのに。

その手に握り締めた論理と矜持こそが、おまえをサーヴァントたらしめんとする核だ。

ジャンヌ・オルタ。

おまえは自分を正しくサーヴァントであると、自身の行為で証明したのだ。」

マシュ「はい。

ジャンヌ・オルタさんは立派なサーヴァントです!」

ジャンヌオルタ「——さあ、面白くも何ともない茶番劇は終わりです。

人理修復を続けましょう、マスター。

終わった土地には離別の挨拶を。

案ぜずとも、この土地からは死が拭い去られました。

いつか新しい生が謳歌するようになるでしょう。

たとえ、私の罪が洗い流されることなくとも。

それこそが、世界の在り方なのですから。」