あんたたち地元の鬼だけで、あんな小さな国ぐらい簡単に魔国にしなさいよ。サボってんじゃないわ。

幕間の物語(女性鯖)

酒呑「……んふふふ。

もう何杯目かも分からんけど、かんぱーい。」

茨木「うむ。

酒呑と酌み交わす杯はやはり格別だ。

緑の人から強奪してきたこのつまみも甘くて美味い。

で、何の話だったか。

そう、それでな、吾はその人間どもに言ってやったのだ。

吾は心の底から……で、……なのだから、どうだ、貴様らは間違いなく……であろう、と——!」

酒呑「そら相手からしてみれば怖かったんやろうねぇ。

茨木の変化はうちも驚く時があるんやし。

ふふ……即興の大化けほど怖いもんはないわぁ……

へのへのもへじの大鬼とか怖くてかなわんわぁ……」

茨木「……うむ、そうなのだ。

傑作だろう?

あのときの奴等の顔を酒呑にも見せてやりたかった!

くくく……。」

「こんなところで宴会とは。うーん、廊下が酒臭い」

マシュ「あのお二方ですか。

すっかり出来上がっていらっしゃいますね。」

鈴鹿「ちっ。人がイライラしてるってときに……。

……マシュ。

あれってわりといつものコトなワケ?」

マシュ「そうですね。

何回か見た光景ではありますが。」

鈴鹿「まったく、そんなだから……。

ああもー、マジ酒臭いし!

ちょっとそこの鬼!」

茨木「む? 汝は……。」

鈴鹿「こんなところで酒盛りとかマジ邪魔だしメーワクだし!

どっか行ってくれるー?

そんなだから鬼はクサいとか空気読めないとか言われて何もしてないのに襲われたりしてマジ迷惑っていうかー、いやそれはそれで出会いがあったりしてアレなんだけど今は関係なくて!

ええと、とにかく——

鬼! ちゃんとしなさい!

私がメーワクするから!」

茨木「臭いだの空気が読めぬだの。

ずいぶんな物言いだな、狐耳の娘。

……いや……汝、狐ではないな……?」

酒呑「ほお……天魔の姫さんかぁ。

よろしゅうなぁ……。」

茨木「む。知っているのか酒呑?」

酒呑「第四天魔王の娘、鈴鹿の御前……

うちが大江に住むより前に日の本におったそうやから、逢うた事はあらへんけどなぁ。

話には聞いとったよ?

……鬼も天魔の娘も似たようなモンやし、どない?

一緒に飲まへん?」

鈴鹿「ち……私のこと知ってるってわけ。

だったら余計に文句を言いたいわ。

あんたたちがだらしないから、私がわざわざ日本に送られてきたのよ。

そのせいでいろいろ迷惑したの。

あんたたち地元の鬼だけで、あんな小さな国ぐらい簡単に魔国にしなさいよ。

サボってんじゃないわ。

どうせこんなふうに飲んだくれてばかりいて、人間を襲うも襲わないも気分次第だったんでしょう。」

マシュ「あ、あの……鈴鹿さん?」

鈴鹿「何よ。」

酒呑「あらまあ、鈴鹿の御前様ともあろうお方が。

言葉、素に戻ってはらへんかなぁ

我らを見て、天魔の娘としての立場を思い出したからやろか。」

鈴鹿「!

い、今のは、その……う、うっかりしてただけだし!

マジありえないっていうか、ああマジありえないとか言ってるのが最悪で、いや違くて——

恥ずかし、いや恥ずかしくはないしJKは最高だし!

可愛いから最高だしマジマンジだし!」

マシュ「な、なんだか混乱してらっしゃいますね。

顔が真っ赤です。」

鈴鹿「……これからはこっちで行こうって決めたんだし。

今度こそ、ステキな恋を最後まで……幸せに……だから……。(ぶつぶつ)」

マシュ「今度は壁に向かって、自分に言い聞かせるように!」

「そっとしておいてあげるべきだし」

マシュ「……先輩、口調がうつってしまっていませんか……?」

鈴鹿「——カッ! というわけでふっかーつ!

私はマジヤバいくらい元気だし! パないわ!

はいはい、ていうかー、これからやることは一つだしー。

そのためには元気いっぱいでなくちゃダメなワケでー。」

マシュ「げ、元気を出されたのはとても結構なことですが。

やること……とは?」

鈴鹿「あは、そんなの決まってるし?

——余計なこと思い出させてくれた鬼たちをシメる。」

茨木「くははは。聞いたか酒呑。

どうやら天魔の姫は吾らにお怒りのようだぞ?」

酒呑童子「めんどいわぁ。

一緒に酒飲んだらええと思うんやけどなぁ。」

マシュ「くっ……戦闘に巻き込まれてしまいそうです。

先輩、気をつけてください!」

(戦闘後)

茨木「ちい……分が悪いか。

酒呑、場所を変えるぞ……。」

酒呑「ああ、ちょっと飲み過ぎたかいなぁ……?

迎え酒迎え酒……。」

(歩き去る音)

鈴鹿「まったく……。

……一応マスターたちには言っておくけど。

そりゃあ、基本的にはあいつらの言うとおりなワケ。

私は第四天魔王の娘で、ただのサーヴァントで、ただのセイバー。だけど——

うん、今は魂がJKなの。

もー普通にそーなっちゃってんの。

かしこまり?」

「かしこまり。可愛ければ全てよし」

鈴鹿「あは、わかってんじゃんマスター。」

マシュ「しかし、どうしてそのようなことに?」

鈴鹿「はぁ……

ま、ぶっちゃけ生きてた間にいろいろあったワケ。

で、英霊になったら女子高生(JK)っていうモノを知っちゃってさ。

女子高生とは、『人気が高い』『美しい』『可愛い』……

そういう概念を象徴したような女子の在り方。

存在自体に価値がある!

あと楽しそうに生きてる!

だから、これだ、って思ったワケ。

……普通の流れじゃん?

私の願いは、今度こそサイコーなカレシとサイコーな恋をして、幸せになること。

だから——

そのために、今から最高の女子の形になっておきたかっただけだし。」

マシュ「ああ……やっと、わかりました。

鈴鹿さんは、とても、とても——

とても本気で——

恋をしようと、してらっしゃるだけなのですね。」

鈴鹿「……ん。ま、そーいうコトだし。」

マシュ「……ふふ。」

鈴鹿「あーもう、人の顔見て笑ってるとか失礼なんですけど!?

さっさと休憩室行くし!」

マシュ「はい、案内しますね。」

鈴鹿「なんかその余裕もむかつく……

これはマジ罰ゲームが必要じゃん。

だから、同じJK仲間として、休憩室に着いたらマシュの恋バナを聞かせてもらうし!」

マシュ「えっ、えっ?

それは……困ります……!」

鈴鹿「あはっ、無理無理!

絶対逃がさないから観念するがいいしー!」