圧制者を倒し、自由を取り戻す。なのに、消えてしまっては取り戻しようが…。いや、これこそが真の自由なのだろうか。

幕間の物語(男性鯖)

スパルタクス「マスター!

圧制者ではないが、いずれ圧制者となるべき宿命を持つ者よ!

うむ。戸惑っているな。

わかっている。

どうやらここはローマ軍の野営地らしい。

そして我らはただいま、見世物になっているようだ。

やはり戦いは避けられぬ運命というものか。」

「一体何が……?」

スパルタクス「気にするな、今の我らは運命共同体。

もしも、君が圧制者となったならば。

いずれ君の首は斬らねばならぬだろうが——。

いや、マスターである時点で斬らねばならないかもしれないが……それまでは共に歩もう。

あるいは……いや、君がマスターであるかぎりは無駄か。

悲しいかな、それはまさに宿命だ。」

「何があったの?」

スパルタクス「では、修羅と遭遇するとしよう。

まさに此よりは地獄。

うむ、この血も滾るというもの。

そしてこの筋肉も、臓器も、皮膚も、私を構成するあらゆるものが、歓喜に震えている……!」

マシュ「あ、あの……マスター、マスター。

はい。目を白黒させているところ申し訳ありません。

——大変唐突ですが。

わたしたち、虜囚の身のようです。」

「何で!?」

マシュ「き、気付いたらこうなっていたとしか……。

ほら、フォウさんにも可愛らしい足枷が。」

フォウ「フォウ!」

マシュ「どうもわたしたちは、今から闘わされるようですね。

いわゆる剣闘士——

グラディエーターとして。」

スパルタクス「さあ、圧制者の傀儡よ。

出てきなさい。

幾らでも相手になってあげよう。」

マシュ「そして更に困ったことに。

スパルタクスさんが、ノリノリでして……。

脱出方法を考える、というよりはともかく闘った方がよさそうです。」

(中略)

マシュ「疲れました……。」

「お疲れ様。よくがんばったね」

マシュ「ありがとうございます。」

スパルタクス「さあ、次は……む。

これはどうしたことだ?

ローマ兵たちが消えている。

野営地もない。

むぅ。……何だというのだ。

困った。

圧制者が居なくなってしまったではないか。

圧制者を倒し、自由を取り戻す。

なのに、消えてしまっては取り戻しようが……。

いや、これこそが真の自由——なのだろうか。

マスター、君はどう思う?」

「それは——」

スパルタクス「いや、まだ世界に圧制者は無数にいる。

それら全てに打ち勝つまで、私の闘いは終わらない。

そう、決して——。

それまでは、君にも地獄の底まで付き合って貰おう。

我がマスターよ!」