我が弟子、その紅槍がこの胸を貫くこの瞬間を——。永遠の底で、凍りながら待ち望んでいたぞ…!!

幕間の物語(女性鯖)

スカサハ「……さて、と。

用意はいいか、クー・フーリン。」

クー・フーリン「用意も何も、呼び出された理由さえ聞かされてないんだが……

いやまあ、大体わかるけどよ。」

スカサハ「うむ。

こうして召喚されたのも何かの縁。

一つ、私を仕留めてもらおうと思ってのう。」

クー・フーリン「あー、はいはい。

最高の呼吸と打点をもって、心臓でも脳天でも打ち抜けばいいんだろ?」

マシュ「!?

いえ、それは単なる殺傷行為では!?

あの、殺し合いは止めて戴きたいのですが……!」

クー・フーリン「嬢ちゃん、無理無理。

こうなった師匠は止められねーわ。」

マシュ「せ、先輩どうしましょう……。」

「止めて欲しい」

スカサハ「いや、止めてくれるな主殿。

これは千載一遇の機会なのだ。

私は死を願えど果たせない体だ。

世界に焼き付いた亡霊に近い。

しかし今回は『世界の焼却』によって影の国も消え、こうして英霊として召喚されたのだ。

戦士として戦い、敗北すれば命を失う——

そんな、まっとうな人らしい機会が巡ってきた。

ならば試したいと思うのが人情だろう?

もっとも、私を超える戦士がいればの話しだが。

のうクー・フーリン?

あれから少しは腕は上がったか?

私は影の国から出られなかった故、使いを送るぐらいしか確かめる術がなかったが?」

クー・フーリン「ああ、少しはな。

下がってな藤丸。

この女には言葉より槍の穂先が似合ってる。

……ったく。

何もしらねえガキを使いに送るなんざ、悪趣味にも程がある。

アンタは肉体は死なないかわりに魂が死んでいた。

賢人だが、性根は冥府の魔物と変わらん。

その魂がこうして生き生きと現界していやがるんだ。

引導を渡してやるのが弟子のつとめってもんだろう?」

スカサハ「うむ、それでこそ光の御子。

今度こそ私を斃してみるがいい。」

クー・フーリン「任せな。

我が槍は因果逆転の呪いの一棘、狙った獲物は絶対に外さねぇ。

——いくぜスカサハ。

その心臓、もらい受ける——!」

スカサハ「よく言った!

我が弟子、その紅槍がこの胸を貫くこの瞬間を——。

永遠の底で、凍りながら待ち望んでいたぞ……!!」

(戦闘後)

クー・フーリン「すまん。しくじった。」

スカサハ「この馬鹿弟子が——!

なんでこう大事な時に当たらないのだ、おまえの槍はー!」

ロマニ「すごい……

ゲイ・ボルクの穂先、遙か彼方までカッ飛んでいったぞ……」

マシュ「はい、まだ軌跡が飛行機雲のように残っています。

マッハ出てました、マッハ。」

ロマニ「そうか、スカサハの死の運命はここでは見つからなかったから、あんな大暴投になったんだな。」

スカサハ「……はあ。そういう事か。

では馬鹿弟子の手加減ではなかったのだな。

が、それはそれとして、じゃ!

これセタンタ!

なんじゃ、あのザマは!

おぬし、影の国時代より劣化しているではないか!

まるでリスのようじゃ!

鍛錬を怠ったのか!」

クー・フーリン「へいへい、そうですよー。

どうせオレは弱くなってますよー。

なにしろ半分抜けてっからな。

自分でもよく分からんが、とにかく全盛期じゃねえんだよ。」

スカサハ「なんだと?」

マシュ「あ。もしかして……

以前、クー・フーリンさんはキャスターとしてわたしたちに協力してくれましたが……

クラスごとに“別のクー・フーリンさん”が在ることで、その容量が分散されているのではないでしょうか?」

クー・フーリン「げ。

キャスターやってるオレなんていやがるのか。」

スカサハ「なるほど。

そういえばこやつ、生粋の戦士のくせに無駄にルーンが上手かったからのう……

だがよい話をしてくれた、マシュ。

まだ可能性は残っている。

クー・フーリンよ。

その体で修行をし直すがいい。

おまえの事だ、無心で鍛錬すれば失った分はすぐに戻る。」

ロマニ「……無心って、何も考えるなって事だよねそれ……」

クー・フーリン「ああ?

修行をもう一度やり直せってコトか?」

スカサハ「それ以外どう聞こえた、ばかもん。

基礎は備わっている。

後は実戦で経験を積めばよい。

よし、決まった。

では修行の旅に出るぞ。」

クー・フーリン「はあ、今からかあ!?

って後ろ髪を引っ張るな!

そこの赤白髪!

笑ってないで何とかしやがれー!」