生きとし生けるものの断末魔は、命を摘み取る喜びを弁えた者の手によって満喫されなくてはならない!

幕間の物語(男性鯖)

ジル「おおお、なんと荒みきった大地!

人の営みはおろか草木の一本すら残さず焼き払われた焦土とは!

いったいこの地はどのような災厄に見舞われたというのですか?」

マシュ「我々にも詳しいことはわからないのです。

ともかく、人知を越えた異常な天災、としか……」

ジル「天災! 戦災ではなく天災!

人の罪過とは関わりなく、神の悪戯によって、ここに棲まう民は殲滅されたと?」

ロマニ「そうだねぇ……

この時代の人間の手では不可能なんだから、運命の悪戯と言えない事もないかな?」

ジル「おおお嘆かわしい!

なんたる悲劇! なんたる惨劇!

これは断じて見過ごせませぬ!」

マシュ「……キャスターさん……

先輩。やはり人間は見た目ではないのですね。

容姿は恐ろしげなジルさんですが、善良な英霊です。」

ロマニ「ふむ……あの悪名高い『青髭伝説』のモデルとなった人物だけに、少なからず不安もあったんだが……」

「実はいい人だったんですね」

ジル「当然ですとも!

不肖このジル・ド・レェ、命の価値を弁える者として他の何者の追随も許しませぬ。」

マシュ「やっぱりいい人です!」

ジル「人の命は即ち果実のようなもの。

絞れば珠玉の甘露でもれなく我が喉を潤してくれるのです。なのにッ!

苦痛と悲鳴を! 恐怖と絶望を!

すべて余さず搾り取ることもなく、ただ無益に潰して捨てるなど!」

マシュ「……はい?」

ジル「言語道断です!

神の気まぐれによる天災にて、あたらしい命が潰えるなど言語道断!

生きとし生けるものの断末魔は、命を摘み取る喜びを弁えた者の手によって満喫されなくてはならない!」

マシュ「……前言撤回します。

先輩。この怪人を連れて歩いていたら、カルデアの風評が地に堕ちます。」

ロマニ「いやそうは言ってもだね。

サーヴァントとしての能力は善悪で計れるものではない。

人格的に多少アレだとしても、ここは貴重な戦力と思って有効活用すべきなんじゃないかな?」

「嫌だなぁ……」

ジル「おやぁ?

我がマスターは生命の真の美しさについて、まだまだ理解が足りていないご様子……

無理もない話です。

こと審美の才というのは孤高なもの。

一朝一夕に辿り着けるものではありませぬ。」

マシュ「ジル・ド・レェは百年戦争でジャンヌ・ダルクを元帥として支えた立派な英雄と聞いていたのに……」

ロマニ「ああ。

だが同時に何百人という幼児を虐殺した快楽殺人鬼としても知られている。

そういった二面性の両側面において知名度の高い英霊は召喚される際のクラス次第で全くの別人に成り得る。

こういう癖のあるサーヴァントをどのように使いこなすか、まさにマスターとしての底力が問われるところだ。

というわけで藤丸君、まぁせいぜい頑張ってくれたまえ!」

マシュ「他人事ですね、ドクター。」

フォウ「フォ〜ウ……」