じゃあ早速合成を始めましょう。魔力を溶かせる酒呑童子の酒をベースに、蠱惑的な甘さを持つ大魔女の蜂蜜、さらに私の血を加えて。

幕間の物語(女性鯖)

メイヴ「うふふ。じゃあ早速合成を始めましょう。

魔力を溶かせる酒呑童子の酒をベースに、蠱惑的な甘さを持つ大魔女の蜂蜜、さらに私の血を加えて。

慎重に混ぜ合わせつつ、秘密の工程をひとつ、ふたつ……

ふふ……うふふふ! できたわ!

『愛しき私の蜂蜜酒(マイ・レッド・ミード)』から派生したもの。

今の私が手軽に振る舞える女王の酒(みつ)……

『蠱惑の美声』改め、『眩惑の蜂蜜酒』!

私に刃向かう男を酒香で骨抜きにしながら、私に従う男たちを美声で興奮させる。

まさに“奪う”女王に相応しい権能よね!

メイヴちゃん、サイコー!」

マシュ「蜂蜜酒は蜂蜜を発酵させたもので、日本酒と混ぜ合わせてできるものではないはずですが……と言うのは野暮ですね。

それと、どうして『レッド』ミードなのか、という名前の謎も解けてしまった気がします。

もし勧められても、名前の由来を知っていたら飲むのを躊躇わざるをえない理由ですね……。」

エウリュアレ「なにそれ、酒?

うわあ……どぎつい魅了の魔力を感じるわね。

私の眼差しほどじゃないにしても、ただの人間なら匂いを嗅いだだけでいい感じの下僕になっちゃうかも。

あなた、ライダーのくせにそんな宝具も持ってたの?」

フェルグス「メイヴはライダーである以前に、やはりコノートの女王であるからなあ。

それに、その身体には妖精の血も流れていると聞く。

外敵から国を守り、統治するためには妖精女王としての力も使う必要があったという事だろう。」

メイヴ「ん〜〜、オッケー、匂いも味もバッチリ!

これでコノートの民に与えるワンランク上のアメが準備できたわ!」

「そう言えばそれが目的だった」

メイヴ「そうよ。

すなわち、これでますます私の統治は完璧になったってわけ。

見ていなさい。

これからどんな反抗的な民が現れても、鞭とその対極にあるコレを使ってすぐに蕩けさせてあげる!」

マシュ「正直、不安要素もなくはない気がしますが……

カルデアのサーヴァントの一人として、戦いの役に立つ新しい力を手に入れてくださった——

と考えれば喜ぶべき事かもしれません。」

エウリュアレ「結局、私はこの女のレベルアップに付き合わされただけ?

たまったものじゃないわ。

埋め合わせはしてもらうわよ、マスター。

私のお休みを倍にして、代わりにこの女を倍働かせるくらいはしてもいいと思うのだけど?」

「(同じ魅了持ちでも、やっぱり使い所は別なので……)」

アステリオス「ええと、えうりゅあれ?

どうなった?

ぼく、むずかしいはなし、わからない。」

エウリュアレ「……何でもないのよ。」

アステリオス「でも、たたかって、いたくしちゃったよ?」

エウリュアレ「それは……何て言ったかしら。

そう、プロレス。

プロレスごっこして遊んだんだって思っときなさい。」

アステリオス「ぷろれす、しってる!

けつぁるこあとるに、よくさそわれる!

そっかー、いまのがぷろれすごっこだったのかー。」

フェルグス「ところでだな、メイヴよ。

恋人役の俺がここにいて、首尾良く魅惑の酒ができたということは、だ。

やはり当然、次の予定は寝室で二人きりの乾杯、それから大人の恋人ムーブでは……」

メイヴ「よーっし、完成したことだし、まずクーちゃんに飲ませてこよーっと!

この場にいなければ逃げられるとでも思ったのかしら!?

アマアマね!」

(走り去る音)

マシュ「お気を落とさずに、フェルグスさん……。

ですがその、フェルグスさんは——

メイヴさんのお酒を飲まれるのですか?」

フェルグス「応、飲むぞ!

なぜならあれは美味い。

酒は美味ければそれでよいのだ。

何が入っているかなど二の次だ。

魅了の効果は……

はてさて、気合いでなんとかなっているのかもしれんし、とっくの昔に俺も奴に魅了されているのかもしれんな?

はっはっは!

さて——

では、我らが誇るケルトの大英雄は奴の酒を飲むのか、飲まぬのか。

飲めば魅了されるのか、それとも——

と、いったところだなあ?」

エミヤ「どうしたね、ランサー。

まだ当たりもないのに震えるとは。

新しい竿操作のテクニックか?」

クー・フーリン「いや、なんだか寒気が。

……………………。

猛烈に嫌な予感がするぜ。

おいアーチャー、釣り勝負はお預けだ。

逃げるんじゃねぇからな、勘違いするなよ。

オレの勘が、とにかく今すぐこの場を離れるべきだって言って——」