あー…自身の考えと現実の在り方にいっさいの疑問を持たないダビデ王、ダビデ王。曖昧を装ってマシュを口説くのはやめるように。

幕間の物語(男性鯖)

ダビデ「いやあ、いいねぇ。

またこの大地を目にする事があるとはね。

いや、実際僕の頃とはあれもこれも違うけれど、根本は変わらない。

素晴らしい風景。

耕し甲斐のある土地。

その上で此処に僕はいる。

なら、神は望まれているのだろう。

再び……は違うな。

それだとよくない争いが起きる。

うん、新たなる、と言うべきだろう。

此処に新たな神殿の建造を行い、世界に威光を示すよう託されたに違いない。

具体的に言うと新しい富と、新しい財産だ。

そうは思わないかい、美しいきみ。」

マシュ「ええと……。」

ダビデ「後年、戦争に明け暮れてしまった僕だ。

神殿建造は夢のまた夢であるものと思っていたが……。

どっこい、そう悲嘆している場合ではなかったようだ!

ようし、燃えてきたぞぅ!

なにしろ僕は基本、懲りないからね!

機会さえ与えられれば何度でもやるとも!

この僕は復活せし者ではなく、英霊のひとりにすぎないとしても僕は僕、神のしもべであるダビデだ。

であれば、神殿を建築するのが自然だと思う。

しかし……なんという事だろう。

僕には動機があり、機会が与えられたとしても、足りないものがまだあるんだ。

それが何か、分かるかな藤丸?

ああ、ドクター君でも構わないよ?」

「ええっと……(あれでしょう……)」

ロマニ「はあ……真面目に答えなくていいからね、藤丸君。

どうせいつもの病気だ。

労働には対価が必要だって言うんだろ。」

ダビデ「当たり前じゃないか!

僕は省エネ主義であり、現実的な男だ!

どうか覚えておいてほしい、マスター。

『格好いい事をする時は、格好いいところを見せる美女がいないと勿体ない』

これはとても大切な事だ。

人知れず徳を積むのも大切だけど、神の威光はやっぱり大勢の人に知ってもらわないとね!」

マシュ「そ、そうですが……

そんな理由で神殿を建築するのですか?」

ダビデ「するとも。

神の威光を讃え、僕の功績が認められ、神殿が築かれ、多くの富が集まる。

最終的に、それが民の為にもなる。

それはそれとして、きみ。

もしかして、と思ったけど確信に変わったよ。

きみはアビシャグ、そう、アビシャグじゃないか!」

ダビデ「可愛い顔を見せておくれ、アビシャグ。

ああ、その思慮深い瞳と瑞々しい精神性。

髪型とか体型はぜんぜん違うけど、それはそれだ。

その献身的な十代の少女そのものの在り方——

どこからどう見てもアビシャグだ!

やはり、僕の活躍を聞きつけて現界を?」

マシュ「あ、あの、ダビデさん。

ですからわたしは……。

先輩からも、その、何か……。」

「ダビデさん、お爺ちゃんみたいですよ」

ダビデ「む?

藤丸はこの娘の佳い人だって?

……まいったな。

藤丸の言葉に嘘はない。

つまり真実という事か……

悲しいな……

ではアビシャグではないのか……。

くっそう。

アビシャグだと思ったんだけどなぁ……。」

ロマニ「あー……

自身の考えと現実の在り方にいっさいの疑問を持たないダビデ王、ダビデ王。

曖昧を装ってマシュを口説くのはやめるように。

アビシャグというのは老いた貴方に寄り添った絶世の美少女であって、マシュの事ではないでしょうに。」

ダビデ「いやいや。

死した者が復活を果たさずにこの世に在る。

奇蹟は既に起こったんだ。

だからアビシャグだっていてもいいんじゃないかな?

そう願う僕は傲慢かい?

いや謙虚なんじゃない?」

マシュ「ええと…………。」

フォウ「フォウ……。」