…はい。だから思うのです。わたしはあの時、お二人の他愛のないやりとりに、何かを見出さなくて、本当に良かったと。

幕間の物語(男性鯖)

マシュ「……そんな事が以前にあったものだから。

わたしはつい、こんな質問をしてしまったのです。

『ダビデさんはもしかして、最初からご存知だったのでしょうか?』と。」

ダビデ「んー、どうかなあ。

そのレイシフト、前の話だからねぇ。

ちょっと覚えてないなあ。

でもまあ、質問には答えるよアビシャグ。

僕は知らなかった。

気がつく筈もなかった。

魔術王の正体は推測できても、それ以外の事は考えなかった。

このカルデアで彼を遠目から見た時、僕はこう感じた。

“ああ、なんて自由のない男だろう”と。

具体的な事は分からないけど、顔つきで分かるからね。

でも、それは僕の知る“自由のない男”とは違っていた。

彼の不自由さには、人としての意志が満ちていたからだ。

だから僕は考えないようにした。

邪魔はしなかったのさ。

これは、ただそれだけの話だよ。」

そう語るダビデさんの微笑みは少しだけ悲しく、でも誇らしげなものでした。

それがどこまでも聡明で、だからこそ冷血に思われてしまうダビデ王にできる、最大の誠意でした。

……はい。だから思うのです。

わたしはあの時、お二人の他愛のないやりとりに、何かを見出さなくて、本当に良かったと。

偉大なる古代の王。

その繋がりは目に見えずとも、確かに存在していたのだと。