ほう、これが“しみゅれえたあ”か。 摩訶不思議なからくりだと聞いていたが、どのような鍛錬なのだ?

幕間の物語(男性鯖)

俵藤太「おおう、マスター。

ここにおったか。

じきに飯が炊けるのでな。

知らせに来たぞ。」

マシュ「おや。

今日は藤太さんが食事当番なんですか。」

俵藤太「ははは。

落胆させてしまったかな?

確かに拙者の料理は大雑把な男飯。

多彩さ、繊細さという面では他の者には一歩譲ろうさ。

だが量だけは負けんぞぅ!」

マシュ「いえ、藤太さんのご飯は美味しいです。

なんていうか、ふっくらしているのです。」

俵藤太「ふっくらとは、また頬がゆるむ褒め言葉よ。

マシュは良い嫁になるな、うむ。」

俵藤太「まあ、伊達に俵を担いではおらん。

どんな時でも白い米こそ元気の源。

白米を食わせる料理であれば拙者の右に出る者はいまい。

しかもおかわりし放題だからな!

塩鮭、味海苔、なんでも使え!」

「ゴクリ……お腹が……空いてきましたね……」

ロマニ「確かにみんなが俵卿のお米を食べてくれたら、その分カルデアの運営資金は助かるな。」

俵藤太「だろう、だろう。

ところで……ほう、これが“しみゅれえたあ”か。

摩訶不思議なからくりだと聞いていたが、どのような鍛錬なのだ?」

ロマニ「そういえばキミはまだ利用してなかったね。

これがあれば古今東西の様々な怪異も思いのまま。

きっと怪異殺しで名を馳せたキミも満足できると思うよ?」

マシュ「藤太さんには大百足を倒したという逸話があるとか。

一体どんなものだったのか、とても興味があります!」

俵藤太「むう。

これまた面映ゆいが、こそばゆい反応よ。

手前の手柄話を語る、というのは慣れておらん。

だが、ここには丁度良いものがある。

実地で見せるのであれば吝かではないぞ。」

マシュ「大百足退治を見せてくれるんですか?」

俵藤太「これから美味い飯を食いたいのは拙者も同じ、特に死地から戻った後の飯は格別でな。

さてマロン殿、とびきりデカい百足を出してくれ。

大百足退治を披露しよう。」

ロマニ「……そうきたか。

すまない、シミュレーターは便利なシステムだけど、生憎、大百足のデータはなくてね。」

マシュ「言われてみれば、どこの特異点でも大百足と戦った記憶はありませんでしたね……。」

ロマニ「おまけに三上山の大百足は山を七巻き半するほど巨大らしいじゃないか。

時間的にも再現は厳しいかな。」

俵藤太「なんと。

大百足は無理であったか……

あれはあれで見応えがあるのだが……」

ロマニ「運営資金がもっと潤沢だったらね。

みんなが俵卿のお米を食べてくれたらいつかは……。」

「じゃあ、早くご飯にしよう」

俵藤太「うーむ、そうしたいのは山々だが。

話が半端に終わっては腹の締まりが悪いのぅ……」

マシュ「申し訳ありません。

わたしが無理なお願いをしたせいで……」

俵藤太「いやいや。結局はその気になった心を落ち着かせられなんだ拙者の未熟。

しかしだ、マシュ。藤丸。

ならならないで工夫をすれば良いだけのこと。

生前、様々なものに恵まれた拙者だが、それでも全てを持っていたわけではないからな。

むしろ、こういう時の差配はお手の物よ。

してモンブラン殿、一つ相談なのだが……」

ロマニ「いけそうだね。

それなら大した手間はかからないんじゃないかな?」

俵藤太「では準備を頼む。

しばし待たれい。役者を連れて参る。」

マシュ「何やら大事になってしまいましたね。」

「ご飯、いつ食べられるのかな……」

(中略)

俵藤太「拙者は龍神に頼まれ、すぐに三上山まで向かった。」

マシュ「……すぐに、ですか?

大百足は人の手に余る巨大さと聞いたのなら、入念な準備をして挑みたいところですが……」

俵藤太「冷静に判断すればそうするべきだったろうなあ。

だが、不思議と拙者は熱に浮かされていた。

うむ。龍神との戦いがあまりに白熱したからだろう。

こればかりは拙者ではなく龍神を褒めてほしい。

とはいえ。結果、拙者は手持ちの矢が三本しかないことも頭から抜けていたのだ。」

マシュ「たった三本の矢で、龍神さえ気圧される怪異に立ち向かったのですか……!?」