…つまらぬ。黒き円卓の騎士がこのざまとは。敵方に潜む間諜たる志も無く、ただその場の己の意思で揺れ動く。それは裏切り者と呼ぶのだ。

幕間の物語(女性鯖)

Xオルタ「この装置があれば、Xさんを……

…………ハッ……?

いえ、これは……。

………………。」

X「(なにが『いえ』なのやら……うおお気になります)」

「そろそろ起きてもよろしいのでは?」

Xオルタ「……やはり感知されましたか……!!」

???「我が工房の旋律の和を乱す者、それは何者か——。」

X「あーっと、なんだか話の通じなさそうなのがお出ましですね!

別に問題ありません! 

受けて立ちます!」

Xオルタ「Xさん……!

奴はこの工場惑星の管理者のようです。

とても手強いです。それに……。

Xさん、もうこれ以上あなたに怪我を負わせるわけにはいきません。」

X「何を言ってるんですか?

だったら、尚更!

こいつを倒せば単位におつりが来ます!

卒業まで豪遊しまくりの夜食も食べ放題です!」

Xオルタ「ハァ……

本当にこの人は……。

いつもながらXさんときたら、威勢の良さだけは宇宙一ですね。」

X「急にディスられました!?

さては寝返ろうって魂胆ですか!

そうはいきませんよ!」

???「侵入者たちよ。

命乞いの相談であれば、地獄で行うがいい!」

Xオルタ「貴公と対話をするつもりは無い!

されど、今は待て——!」

???「我を侮るか……む……?

……この者は……?」

Xオルタ「ありがとうございます、Xさん。

いつか私にあたたかい餡饅を分けてくれましたね。

考えてみれば、いつも私はXさんに貰ってばかりでした。

なにかお返しができたらいいなと思っていました。」

X「ハイ?

いえ、そんなの忘れましたけど?

ちょちょ、なんか近くないですか?

壁ドンってやつですか!? えっちゃん?」

Xオルタ「隙ありです。

黒騎士くん。やっちゃってください。

ダンクプリーズ。」

「……ダンク!? ええいままよ(ヒロインXを装置に押し込む)」

X「——はい?

ちょな痛ぁ! 押さないでくださ、ぎゃああああ!

何をするんですか!

なんかヌルっとしたの浸みてき冷たっ死ぬ死ぬ死死死ぬ!

裏切りましたね、えっちゃん!

あとそこの黒バケツ!」

Xオルタ「いつかコロスという顔をしてますね。

ごめんなさい、Xさん。

都合のいい回復装置などは見つかってはくれませんでした。

それはカーボン・コフィンです。

すみやかな炭素凍結で凍っていただきました。

私が倒れても学園の誰かがあなたを見つけて解凍し、その怪我も治療してくださるでしょう。

たとえこの惑星が吹き飛んでも大丈夫……な気がします。たぶん。

じゃあ……黒騎士くん。

私のバトルスーツを転送して。」

「眼鏡を外した?」

???「……この波動は……

やはり、オルタニウム!

喪われたダーク・ラウンズ(R.O.U.N.D.S)の系譜か。」

Xオルタ「確かに私は貴公ら、ヴィラン連合に合流する運命にあるのだろう。

だが、それはまだ——今ではないはず。」

???「…………つまらぬ。

黒き円卓の騎士がこのざまとは。

敵方に潜む間諜たる志も無く、ただその場の己の意思で揺れ動く。

それは裏切り者と呼ぶのだ。

悪名高きヴィラン連合であれど、そのような調和を乱す輩を到底受け入れられるはずもない。

矯正し強制しそして身の程にふさわしく調律されなくてはならない!

我が工房の駆動軸に熱源に分配器に——

それら機構を織りなすパーツの一つとなるがよい。

さもなくば——死ぬのだ!」

メカエリ「ヒーローサーヴァントたちの活躍でエーサバは陥落し、ヴィラン連合は当面の弱体化を余儀なくされた、と。

悪のロボットの製造基地など、断じて許せません。

ヒーローとして正しいことをされました。」

マシュ「重力衝突による爆発で惑星エーサバは崩壊。

Xさんとえっちゃんさんは、自らカーボン・コフィンに凍結されることで難を逃れたんですね。

フゥ……

それはまさに危機一髪でしたね!」

Xオルタ「はい。

それと、黒騎士くんも一緒に。

黒騎士くんの救助ビーコンがなければ、宇宙の藻屑となって永遠に真空を漂うところでした。」

X「そのなんたらコフィンとやらの副作用で、私の記憶がぶっ飛んでるわけですが……」

ヒロインXX「ピポピポ……。

(そんなことが……)」

「……むむ……あれ?」

マシュ「先輩、どうされました?

何か腑に落ちないことでも……?」

「いま聞いた話と異なる記憶が自分にあるような……」

マシュ「それは不思議な感覚ですね。

既視感というものでしょうか?」

「(……えっちゃんにガン見されている)」

マシュ「先輩、ほんとに大丈夫ですか?」

メカエリ「やはりサーヴァント界の情報は深刻な脳へのミーム汚染なのでは……?」

X「ちょっとうつらうつらしてましたよ。

だらしがないですね、マスター。」

ヒロインXX「まったくですよマスターく——

アババ、マッタクデス。」

X「こいつやはり怪しい!」

(ポカポカ喧嘩)

Xオルタ「フフッ。

————しぃーっ、ナイショ。」

Xオルタ「もう、ここも持たないな。

でも、戦況は悪くないみたいだ。

学長たちがなんとかしてくれたようだ。

(黒騎士音)

え。もう一基のカーボン・コフィンを見つけた?

それはでかしたね、黒騎士くん。

でも、その装置は……

本来であれば、かなり微妙な調整が必要なんだ。

誰かが残って外部から操作をしないと。

記憶の保持に問題が残るかもしれない。

Xさんは仕方なかったけれど……。

(黒騎士音)

え? 黒騎士くんなら簡単?

しかもコフィンの内部からでも操作できる?

……うーん、なるほど。それは好都合。

(黒騎士音)

……そうだね。

もう、きっと残された時間は少ないのだろうけれど……。

けれど、あとほんの少しだけ、我が運命よ——

どうか、私に時間を。

オルタニウムの導きがあらんことを……。」