原典である劇場を豪華に作り直し、その姿を脳裏に刻む。すると、宝具によって展開される劇場もその豪華さに合わせてさらに絢爛になる、という算段なのだ!

幕間の物語(女性鯖)

ネロ「機は熟した。

余は、ついにかねてから計画していた大事業に取りかかろうと思う。

しかし、もとより完璧なものに手を加え、かつ良い物にするには並々ならぬ才能と英断が必要だ。

そうは思わぬか、藤丸よ。

余の苦悩、貴様ならわかってくれると思う。」

マシュ「(……先輩、先輩。

赤セイバーさんが話しかけているのは先輩ですよ)」

ロマニ「(前振りのない質問で頭が痛いのはわかる。

ここは適当に相づちでもしておくんだ)」

「あ、はい。わかります」

ネロ「うむ! やはり貴様は話が早いな!

おかげで余も決心がついた!

我が宝具にして、我が芸術家生命をかけた魔天——

黄金劇場(ドムス・アウレア)の改築に乗り出すぞ!」

ネロ「というワケで、最後の材料を求めて平原にやってきた。

此度もよろしく頼むぞ、藤丸よ。

先立つものはなんとやら。

黄金劇場の改築には資金が必要となる。

材料費、人件費、そして余のデザイン費!

今回はその中から材料費をなんとかしようと思う。」

ロマニ「やれやれ……

自分の宝具をお金の力で強化する、なんて英霊はそうはいないだろうね。

前の財宝集めもこれが目的だったのか。

でも皇帝陛下、そんなんで宝具は強化されるのかい?」

ネロ「なるとも。

余が魔力で作りあげる黄金劇場は、元になる劇場あってのもの。

宝具を発動させる時のイメージの問題だな。

原典である劇場を豪華に作り直し、その姿を脳裏に刻む。

すると、宝具によって展開される劇場もその豪華さに合わせてさらに絢爛になる、という算段なのだ!」

マシュ「……なるほど。

宝具・黄金劇場は彼女の想像力によるもの。

その元になる劇場が大規模になればなるほど、赤セイバーさんが描くイメージもリアルになるのですね。」

「もう十分にリアルだと思うけど……」

ネロ「ふふ、そう褒めるな藤丸。

愛いヤツめ、後でもっと褒めるがよい。

とにかく、もうじきここに最後の材料が現れる。

みな、戦闘準備をせよ。

中々の強敵だぞ?」

マシュ「……?

材料が現れる、ですか?

わたしたちは、その、何を作らされるのですか?」

ネロ「決まっていよう。

闘技場的なものだ。」

フォウ「フォウ?」

ネロ「うむ。新たなる黄金劇場。

それは劇場と闘技場を組み合わせた、まったく新しい剣戟空間である。

……まあ、劇場の中で拳闘もないのでな。

入り口をコロッセオ風にするだけなのだが。

貴様ら、コロッセオの意味を知っているか?」

マシュ「ええっと、確か……思い出しました。

巨像の前、という意味でした。」

ロマニ「ああ、コロッサスから生まれた言葉だったね。

ローマの闘技場の前には豪華な巨像が置かれ、訪れる観客たちを睥睨したとか。

——あ。

そうだ、ネロ帝の頃の闘技場には——」

ネロ「そう、余の巨像があったのだ!

高さ31メートルもの、それは美しい巨像がなっ!

まあ、そのコロッセオが出来た時には余の劇場は壊されていたのだが、それは言うまい。

つまり、今回の標的は——」

マシュ「マスター、敵です!

なんて、コト——

ゴーレムの大軍がやってきます!」

ロマニ「ネロ、まさかキミ——!」

ネロ「うむ、余の後援者たちを使ってな、巨像の材料になるゴーレムどもをここに追い込んだ!

さあ、やるぞ藤丸!

春のゴーレム狩りだ!」

(戦闘後)

マシュ「て、敵ゴーレム軍団、沈黙しました……

戦闘、終了します……」

フォウ「キュウゥウウ……」

ロマニ「なんて原始的な戦いだったんだ。

押し寄せる城門をひたすら物理でぶん殴る……」

ネロ「う、うむ、さすがにこれはやりすぎた。

余もいささか反省した……

だがこれだけの材料があれば、とりあえず建物は建つ!

人類初のコンクリート技術を見せてやろう!」

「どんなポーズのネロを作るの?」

ネロ「む……それがだな……

……すまぬ。

巨像を作るのは見送りだ。

このゴーレムども、素材はいいのだが……

どうも色気がない。

石から聞こえる声がみな筋肉質でな。

これでは美しい彫像は彫れぬ。

今回、コロッセオ風味は諦めた。

だが劇場の改装はする、安心するがよい。

マスターの苦労は無駄にはしないぞ。

さあ、ここからが本番だ!

急ぎ資材を集めローマに凱旋する!

余の劇場を、さらに強固で頑丈で堅牢な要塞……

そう、たとえヘラクレスであろうと途中で帰れぬ、最強の劇場にしあげるのだっっっっっ!」

ロマニ「だめだこの皇帝、何も反省していない……!」