「私が捜している者に、危険はまったくない。ただ小さいだけだ。可愛らしいだけだ」「え、なにそのレア天使。いるの?どこに?カメラカメラ」

幕間の物語(女性鯖)

黒髭「デュフフ……やはり美少女フィギュアはいいでござるなあ。

二次元と三次元の融合……夢の具現……。

このぷっくりとしてぺったりとしたおへそ周りの絶妙な盛り上がり方なんてまさに芸術的。

確かな経験と腕前に裏付けされたミクロン単位の調整能力がなくば、成長という名の悪魔の気まぐれこそが産む宝石、少女と幼女の中間にある運命的過渡期の一瞬にしか生まれえない、この絶妙な年齢感のプニ肌を表現する事はとてもできない……

うーん、お見事!

ぬぅっ!?

この黒髭の目は誤魔化せねえぜ!

こ、ここは……まさかのキャストオフ仕様!?

さすがは安心と安定のコルキス印、妥協はしねぇってわけか……!

やるじゃねぇか。

ただでさえ素晴らしい出来の上、新たな曲線美の可能性と、服は脱げるものだっていう三次元的必然性を黙って入れ込んでるとはな!

それはこの黒髭サマに対する挑戦に違いねぇ。

脱げるだけで、脱がしてはいけませんよ? みたいな。

だが舐めるな、キャストオフ後のフィギュアも堂々と部屋に並べる!

親に見られても胸を張って『これがボクの恋人です』と報告する!

それがこの漢・黒髭の生き様ってヤツよォ!

…………それでは、失礼して…………。

ぺろーん、とな。」

黒髭「うおっとォ!?

……ああっ、今のでフィギュアの服の端がーっ!?

謝れ!

スカートのフリル一つ一つを丹精込めて造形している職人(メディア)さんに謝れよーぅ!」

百貌「ちっ、外したか。」

「黒髭(キモオタ)にも 人権は あるよ(多分)」

百貌「フン。

見ての通り、こ奴はこのような男です。

病的なまでに可愛いモノを愛で、自らの所有物としたい欲があり、そしてその管理と観察に喜びを覚える——

私の捜している者がもし誰かに略取されている場合、その第一の容疑者はこの男でしかありえない!」

マシュ「百貌さんの捜し人が見つからないのは……

黒髭さんに拉致監禁されているからだと!?

さ、さすがにそれは——」

黒髭「そうでござる!

実に誤解、まったくの誤解!

メアリー殿とかジャックちゃんとか、カルデアには良い年頃の天使がそこかしこにいる……

だが、だからこそ、いかなる天使に対しても、拙者は節度を持った触れ合いを心がけているのだからして!

だって迂闊にタッチとかよろけたふりでハグとか狙ったりすると普通に殺されちゃうからNE!」

百貌「それはつまり、殺されるような危険がなければ貴様はそういった事をするという意味であろう。

——私が捜している者に、危険はまったくない。

ただ、小さいだけだ。可愛らしいだけだ。」

黒髭「え、なにそのレア天使。

いるの? どこに?

カメラカメラ。」

百貌「——やはりだ。

大方、何も知らぬ奴を言葉巧みに騙し、あるいは強引にこの部屋に連れ込んだのであろう。

素直に吐けば良し。

そうでなくば貴様を排除してから家捜しするのみ!」

黒髭「ちっ……いい加減にしやがれ。

この黒髭は確かに悪党だが、胸を張って誇れねえようなチンケな悪事はお断りだ。

幼女とラブに落ちる時はプラトニックにね!

ちゃーんとご両親の許可を貰ったうえで、教会に式を挙げにいくのが最高のトゥルーエンドルートだっつーの!」

百貌「きっ、貴様のような男に奴はやらんッ!

私は絶対に許さんぞ!」

マシュ「なんだかおかしな台詞の応酬になっていますが——

とりあえず事態を落ち着かせましょう、先輩!」

(戦闘後)

黒髭「ナァーック・ミー!

拙者は秘密の部屋(マイルーム)でフィギュアを愛でていただけだというのにこの仕打ち……

ちょっとひどすぎなのではーッ!?」

百貌「……おらんな。外れだったか。」

黒髭「最初から知らないって言ってるのにィ。

ゲットしたばかりのフィギュアも壊れて……

うう、黒髭泣いちゃいそう、ぐすん……。」

百貌「ええい、リアルに涙ぐむな、気持ち悪い。」

黒髭「ガーン!」

マシュ「ダメです百貌さん、悪辣な黒髭さんとはいえ、趣味に関しては純粋なドリーマーですので、その趣味の全否定はたとえ正しいとしても、黒髭さんに精神崩壊を引き起こしかねません!」

黒髭「拙者を言葉責めするのは正しいと!

マシュ氏まで今日は辛辣すぎますぞー!」

「諦めなさい……」

百貌「……しかし勘違いだったのは事実だ。

ここに奴はいなかった。

その詫びはせねばなるまい。」

黒髭「詫びだとォ!?

謝ればこのフィギュアが蘇るとでも思ってやがるのか!

これはっ、この子はなぁ……

エルフ耳の職人さんが丹精込めて手作りした一品で、再販など望むべくもなく——」

百貌「ふむ。

それを直せば詫びになるのか?

ならばあとで『露塗(ロト)』をここに来させよう。」

黒髭「なん……だと……!?

直せるの?」

百貌「フフ、百の貌を持つ我らを舐めるな。

専科百般が輝くは戦場だけに非ず。

『露塗』はその名の通り、様々なものに色を塗り、相手を惑わす顔料の達人。

確か、彫刻にも精通していた筈。

魔改造など最も好きな仕事だと言っていたな。

そのフィギュアをさらに貴様の望む形へと進化させる事も、奴ならば鼻歌交じりにこなしてみせるだろう。」

黒髭「…………!

許す。

ええとまずはこのニーハイを健康的な裸足にしてもらって眼鏡と縦笛とリボンを追加して服は半脱ぎでそれから脇を」

(倒れる黒髭)

マシュ「あっ。

先程の戦闘のダメージのせいでしょうか、黒髭さんが幸せそうな顔で気絶を……。」

百貌「さて、第一候補は外れでしたが、まだまだ諦めるわけにはいきませぬ。

次の候補地へと参りましょう。

マスター、マシュ。

お手数ですが、案内をよろしくお願いします——」