俺がいる限り新撰組は終わらねぇ! 俺の誠はどんな戦場だろうが地獄だろうが誰にも折ることは出来ねぇ!

幕間の物語(男性鯖)

土方「俺に軍事総督を……?」

仙台藩士「ああ、先の宇都宮城の戦いでの君の指揮は見事なものだった。

どうだろう?

奥州の軍を束ねてその手腕を発揮してみないか?」

土方「……構わんが条件がある。

俺が軍を預かるからには軍令を厳しくせねばならん。

背く者があればいかに偉かろうがこの俺が斬る。

俺に生殺与奪の権利をよこせ。

それでも構わんか?」

仙台藩士「い、いやそれは……。

私の一存では決めかねるというか……。」

土方「フン…………、腰抜けが。

この話は終いだ。失礼する。」

(出て行く音)

会津藩士「…………っ!

なんだあの態度は!

やはり所詮は農民上がりの人斬り風情よ。

あのような輩を用いずとも我らだけで薩長の奴らなど蹴散らしてくれるわ!

土方「……おい、新入り、ここはもうだめだ。

港に榎本の軍艦が来ている。

俺たちは蝦夷へ行くぞ。」

「蝦夷……、ですか」

土方「ああ、腰抜けの幕臣どもよりは榎本の方がまだ望みがある。

まだだ、まだ終わらねぇ。

……新撰組は終わらせねぇ。

……この俺がいる限りな。」

土方「いいか、薩長の奴らは峠に至る細道を進むしかない。

俺たちは行く手の山上に陣を敷いて、山上の両側から連中を叩く。

俺の合図があり次第攻撃開始だ。

慌てずに落ち着いてやれ。

(大勢の人の声)

来たか……。

——新撰組、出るぞ!

撃てぇっ!

抜刀突撃!

敵の横っ腹をぶった斬れ!!

周りは気にせず進め!

退く奴は俺が斬る!!」

敵軍「なんだこの異様な強さは!?

話が違うではないか!

これが幕軍の残党だと!?」

土方「幕軍じゃねぇ、俺たちは……」

敵軍「し、新撰組……だと!?」

土方「敵は崩れた、片っ端からたたっ斬れ!!

新撰組、前進!!」

隊士「久々の大勝利ですね副長!

いや、いまや陸軍奉行並でしたか?」

土方「その呼び方はよせ、どうも据わりがわりぃ。

今まで通り、副長で構わん。」

隊士「蝦夷に来た頃はどうなるかと思いましたが、これなら薩長の連中も追い返せるかもしれませんね。」

土方「ああ、俺たちがいるかぎり、この二股口は抜かせねぇ。

薩長の奴らは一人たりとも箱館の地は踏ません。

おまえたちも少ない手勢でよくやってくれた。

褒美をたんまり弾みたいところだが、今日のところは酒で勘弁してくれ。」

隊士「こいつはありがたい!

今はこれが一番うれしい褒美ですよ。」

土方「おいおい、あまり飲んで規律を乱されても困る。

今日のところは一杯だけにしてくれよ。」

隊士「こいつは手厳しい、流石は鬼の副長といった所ですな!

はっはっはっは!」

土方「おう、新入り。

おまえも飲んでるか?」

「変わりましたね、土方さん」

土方「そうか?

………………いや、そうかもな。

俺は明日、五稜郭に戻り、増援の手はずをつけてくる。

おまえもついてこい、一つ頼みたいことがある。」

「頼み……、ですか?」

土方「ああ、昔からの新撰組の生き残りも俺やおまえ、もうほんの一握りだ。

そのおまえに頼みたい事がある。」

土方「——おまえは江戸に戻れ。

日野にある俺の家にこれまでの戦況を伝えてくれ。」

「そんな……」

土方「手紙とそうだな……、あとこの写真も持ってけ。

フン、我ながら男前に写ってるじゃねぇか。

こういうのも悪くないな。」

「最後までお供します!」

土方「法度を違えるものは俺が斬る!」

「…………」

土方「…………。

日野へ行けば俺の親類に面倒を見てもらえる。

気を付けて行けよ、新入り。

……いや、今更新入りってのは変な話だな。

おまえの名前、たしか市村………………。

いや、藤丸……、おまえか。」

「これは土方さんの……、記憶……?」

土方「さて、どうだかな……、サーヴァントの記憶なんてもんはどこまでが本当で、どこまでが幻かなんて俺にも分かりゃしねぇ。

まあ、俺の記憶か誰の記憶かなんてことはこの際どうでもいい。

もうこいつは遠い彼方の出来事だ。

誓いの誠、ただそれだけを胸に走ったあの頃。

…………。

だが、俺の新撰組は今も死んじゃいない。

…………。

さあ、もう行け…………。

ここから先はいつもの地獄、俺一人の新撰組だ。」

「……行くんですか?」

土方「……ああ、俺は行く。

どんな戦場だろうと、どんな地獄だろうと、俺の誠は倒れることはない。

——俺があるところが新撰組だ。」

隊士「無茶です、土方さん!

死にに行くようなもんだ!」

土方「うるせぇ!

ここで負けたら地下の近藤さんに合わせる顔がねぇ!!

いいか、下がるやつは俺が斬る!

斬れっ、進め! 

斬れっ!! 進めぇっ!!!!」

亡霊「新…撰組……?

新撰組……っ!

恨めしや、新撰組……、口惜しや、新撰組……!

貴様は……、貴様は……!」

土方「……フン、ようやくらしくなってきたじゃねぇか。

俺が行く戦場はこうじゃねぇとな。

……てめぇらの恨み言なんざ聞き飽きたぜ。

そうさ、俺の戦いはいつもこのありさまよ。

いつだって徹頭徹尾、負け戦だ。

だがな! ……俺だ!

俺がいる限り新撰組は終わらねぇ!

俺の誠はどんな戦場だろうが地獄だろうが誰にも折ることは出来ねぇ!

ただひたすらに進み!

ただひたすらに斬るのみだ!

——行くぞ、新撰組、前進ッ!」

???「——ありがとう、遠いどこかの貴方。

ここではないどこかであの人を見ている貴方。」

「この声は……」

???「…………。

私はあの人の最期を誰かに覚えていてほしかった。

報われぬと知りながら、誠の為に戦い続けたあの人を。

沢山の人の誠を背負って、なおたち続けたあの人を。

ただ一人、最期まで新撰組であり続けたあの人を。

そして、今もなお進み続けるあの人を見届けてあげてほしい。

——そう」