グレンデルは理性があり、知性があり、そしてただ邪悪だった。だからこそ、俺にとっては火竜より何より…あれの存在が脅威的だ。

幕間の物語(男性鯖)

ベオウルフ「召喚の際に異常?」

マシュ「はい……。

ドクターの話によると、ベオウルフさんが召喚された際、異常な波がこの時代のこの地点から計測されたそうです。

それが二つ目の宝具を解放できていない理由なのではないか、と。」

ベオウルフ「俺と同時に何かが召喚された……ってことは、まあ答えは簡単だ。」

マシュ「やはり——グレンデル、ですか。」

ベオウルフ「間違いなくな。

この俺の人生において、召喚に影響を与えるほどの存在となると、アイツ以外に考えられまい。

そりゃ、名も無き火竜がいるにはいるが……。

俺の人生に栄光と、同時に鮮烈な邪悪さを植え付けた怪物となると、コイツしかいねえな。

そう。あれは紛れもなく人を弄ぶ邪悪だった。

人が住処から離れられぬことを知って、意味もなく殺し続ける邪悪さだ。

縄張り競争とか、生物的本能とか、そういうモンなら話は分かる。

だが——

グレンデルは理性があり、知性があり、そしてただ邪悪だった。

だからこそ、俺にとっては火竜より何より……

あれの存在が脅威的だ。

火竜は財宝に手を出さなければ何もしないただの獣。

グレンデルは邪悪を快感とする捻れた怪物。

俺の召喚の余波で、もしそれが蘇っているのなら——。

退治しなければならんな。」

マシュ「……では、行きましょう。

この先の古城あたりで、一度反応が消失しています。

見て頂ければ、何か分かるかもしれません。」

ベオウルフ「了解だ。

行こうぜ、マイマスター。

この世には存在しちゃいけねえ生物ってのがいる。

俺にとっちゃ、グレンデルがそういう生物なのさ。」

ベオウルフ「マシュ、おまえさんも分かるか。

どうやらこの城の人間、一人残らず殺されたらしいな。

……チッ。

こいつは上手くねえな。

人を喰えば喰うだけ魔性に近付く。

アイツが完全成体にならない内に、とっとと潰すしかない。」

マシュ「でも、一体どこに——。」

ベオウルフ「近くに居るぞ……!

マシュ、戦闘準備だ!!」

(戦闘後)

ベオウルフ「ちっ……仕留め損なったか!」

マシュ「い、今のはキメラでは……!?」

ベオウルフ「グレンデルはその状況に応じて姿を変形させる不定形の魔獣・・・・・・だ。

だからこそ、敵を追尾するこの『赤原猟犬フルンディング』が必要だったのさ。

追うぞ、ついてこい!」

(中略)

マシュ「地下室の穴が、こんな場所に通じていたなんて……。」

ベオウルフ「あの野郎、死んだと見せかけてここに逃げ込んだか。ってことは——。」

グレンデル「ぐ……お、のれ……。」

ベオウルフ「追い詰められたな。

おまえの母親は、もういない。

在るべき世界じごくに叩き込んでやる。

このベオウルフ、容赦はしねェッ!!」

グレンデル「容赦せぬのは……こちらの話だ……。

おまえを殺したものの記憶……読み取ったぞ!」

(戦闘後)

ベオウルフ「終わりだ、グレンデル。

おまえは召喚されるはずのない怪物。

二度と会う事はないだろう。

……ったく。

人生で一番会いたくない奴に会うなんてな。」

グレンデル「な、ぜ……。

おまえを、殺した、ものを……。」

ベオウルフ「俺はおまえがこの世で一番恐ろしい。

あの火竜は、ただ俺にトドメを刺しただけだ。

強くがあったが、怖くはない。

そしてあの時とは段違いに頼もしい戦力が揃っている。

それを見抜けなかったおまえが間抜けだ。

あばよ、なりすまし屋。

おまえはもっと、自分自身ってヤツを信じれば良かったんだ。」

グレンデル「お、のれ……!」

(消滅する音)

マシュ「今度こそ倒せたようです!」

ベオウルフ「らしいな。

お陰で宝具が解放できた。

これからも素手喧嘩ステゴロ上等の連中が出張ってくるだろう。

そういう奴が出張ってきたときは、俺を加えるんだな。

さて、と。

じゃあ帰るか、マスター!

凱旋だ、凱旋を歌うぞ! ハッハー!」