伝承にある嵐の化身、ワイルドハント…その末席に加えられた彼女は、最期には嵐に飲まれる定めだとでも言うのか…?

幕間の物語(女性鯖)

ドレイク「流石にこの船だと早いね。

昔だったらチンタラ進んでた海域も一瞬だ。」

黒髭「オッ、右手に見えるのはマゼラン海峡?

行っちゃう? 太平洋行っちゃう?」

ドレイク「生憎、今回はそこに用はないよ。」

テスラ「ふむ。

となると目的地は一つしかないな。

ホーン岬。

つまりドレイク海峡越え、だろうか。」

ドレイク「察しがいいね。

この旅のもう一つの目的地はそっちなんだけど……

アンタ、大丈夫かい?

顔色はいいが、膝が震えているよ?」

テスラ「うむ。

とても気持ちが悪い。

まさか、この私が乗り物酔いするとは。

これは今後の課題と考えよう。

できるだけ揺れの少ない船を考案しなければ。

いや、むしろ海面を滑空する船を発明するべきか。

空気で浮力を得るホバークラフトのように、交流による電磁レールを空中に敷いて——

いやそれではただの空中列車、船である必然性がない……

むう。

我が人類神話をもってしても、海はいまだに旧き神々の領域、という事か……」

マシュ「現代でも船はディーゼルエンジンが主流ですからね。」

自動車は電気とのハイブリッド車が増えていますが、海上の移動にはまだまだ不安が残るかと。」

テスラ「効率の良い燃料機関があれば発電量も安定するのだがね。

いかんせん、永久機関として成功したのは私が身につけている特別製テスラコイルだけだ。」

黒髭「船乗りから見ればカミナリとか百害あって一利なし。

マストを焼かれる前に降りてほしいものですなあ。

まあ、拙者とBBAの船ならカミナリに撃たれたところで沈没なんざしないのですが!

で。ホーン岬ってことは、もしかしてアレ?

伝説にあるドレイクの隠し財宝でござるかな?

スペインから奪ったあれが……あるでしょ?

行方知れずの金銀財宝……がね?」

ドレイク「本気で気持ち悪いねぇ、アンタ……

よくもまあ、そこまで調べたもんだ……」

「……え? じゃあ本当に!?」

ドレイク「い、いやあ、財宝なんてご大層なもんじゃないさ。

ただ、ちょいとばかり思い出してね。

当時は意味の分からなかった宝石やら護符やらの山だったからさ。

アンタになら意味はあるかなって。」

ロマニ「宝石や護符……魔力資源か!

それが本当なら確かにありがたいけど!?」

ドレイク「だろ?

カルデアはいつも火の車だからね。

少しでも足しになればアタシも嬉しいよ。

とはいえ、あまり期待はしないでおくれ。

あくまで忘れ物を取りに行く程度の話さ。

ただ、ちょっとばかり問題があってね。

たぶん出るんだよ。アレが。」

マシュ「アレ……と言いますと……。

ドレイク船長が苦手なものといったら、まさか……」

ドレイク「そう、アレ。

ただ普通のアレよりは苦手じゃないさ。

撃てば倒せるものだしね。

反面、その凶暴さは折り紙つきだ。

アタシとマシュ、藤丸だけじゃ手に負えない。

ニコラ・テスラに来てもらったのは同じ“嵐”として対抗してもらう為だったのさ。」

テスラ「……なるほど。

この気配はそういう事か。

私もつくづく、この“嵐”に縁があると見える。」

マシュ「! マスター、空が……!

とつぜん海が荒れて、嵐が……!」

黒髭「おおうマスター!

この縄を腰に結んでおきな!」

ドレイク「……来たね。

アタシが何か為そうとすると、いつもコイツらが現れる。

思えばマゼラン海峡を越えた後もやられたんだっけか。」

ロマニ「強力な魔力反応、接近中!

これはサーヴァントか……?

(いや、それにしては実体がない。まるで影だ。

ドレイク船長から落ちた影というか……

彼女自身が呼び寄せているとしか思えない。

伝承にある嵐の化身、ワイルドハント……

その末席に加えられた彼女は、最期には嵐に飲まれる定めだとでも言うのか……?)」

ドレイク「ああ、やっぱり嵐は嬉しいねえ。

血が沸き立つよ。

冒険ってのはこうでなくっちゃ!

生きるか死ぬかスリルあっての航海だ!

やるよ、ティーチ!

カミナリの相手はそこの学者サマがしてくれるさ。

アタシらはアタシらの流儀で戦おうじゃないか!」

黒髭「おう、言われるまでもねぇ!

この程度の嵐、女どもの相手より楽勝だぜ!

テメエこそヘマ打つんじゃねえぞドレイク!

ガラ空きの背中なんざ見せた日には真っ先に潰してやるぜ!」

ドレイク「いいねその意気だ!

遠慮なく大砲をバラ撒きな、どうせアタシには当たらないさ!

さあ、いくよ藤丸!

あの辛気くさい連中をブッ倒して、宝の島に乗り込もうじゃないか!」