父上が抜いた剣を、オレが抜く。王の資格を示すなら、これ以上のものはないだろう? だから、何度も夢に見た。

幕間の物語(女性鯖)

——それは、幾度も思い描いた光景。

王となる資格を持つ者にしか引き抜けない選定の剣。

その前に、自分が立っている。

父上ではなく——自分が。

愛しにくき父上が引き抜いたはずの剣が。

いとしき父上が手に入れたはずの剣が。

何者にも触れられていない状態で、そこに突き立っていた。

???「——キミはこの剣に何を誓い、何を託す?」

誰かが何かを呟いている。

だが——何も頭に入ってこない。

モードレッド「……なんだよ。

一体なんで、オレはまた——」

(中略)

「どうかした?」

モードレッド「……朝のことだよ。

マスター、まさかとは思うが、おまえもあの夢を……。」

「見てないよ。ところであの剣って何?」

モードレッド「いや完全に見てるじゃねーか!

何中途半端にとぼけてんだよ!?

……あれは、選定の剣だ。

引き抜いた者に王権を与える——

いや、王の資格を持つ者にしか引き抜けない剣。

聞いたことくらいはあるだろ?

その昔、我らが偉大なアーサー王が引き抜いた剣さ。

——あれに挑戦することが、オレの願いだった。

父上が抜いた剣を、オレが抜く。

王の資格を示すなら、これ以上のものはないだろう?

だから、何度も夢に見た。

それこそ、数え切れないくらいにな。

でも……まぁ、オレもいろいろとあってな。

最近はあんまり見なくなってたのさ。

もちろん、完全に願いが消えたわけじゃない。

王になることを捨てた訳でもない。

けど、昔感じてた、呪いみたいな渇望や飢餓感は、最近なくなったと思ってたんだ。

だから、今になってなんでまた——って思ってな。

まるで自分の中の未練を見透かされたような気がして、少しばかり気分が悪くなっちまった。」

「夢を見るのが怖い?」

モードレッド「はぁ!?

そんなわけねーだろ!

オレを誰だと思ってやがる!

……ったく、いくらマスターでも怒るぞ。

……とはいえ、まあ、なんだ。

マスターとサーヴァントの夢は繋がってるっていうしな。

……いざってときは頼むぜ。

期待しない程度に待っててやるよ。

——朝は騒がせて悪かった。

それだけだ。邪魔したな。」

(退室して再び戻るモードレッド)

モードレッド「……わかってるとは思うけど、今の話、誰にも言うなよ?」