もう迷いませぬ。この身、この心から蛇神への呪が消えぬとしても。畏れと恐れが渦巻き続けるのだとしても。拙者の忠義は揺るぎませぬ。

幕間の物語(女性鯖)

茨木「…………見ていたぞ酒呑。」

酒呑「なあに、そないに頬膨らして。

うちこれから湯浴みするさかい、そこ退いてぇな。」

茨木「酒呑は人と交わるのが好きなのか?

あのような、蛇にさえ堕ちきれぬ半端者をからかう・・・・などと。

かつての塔も思えばそうだ。

貴様はなにか……」

酒呑「うん?」

茨木「もしや……

…………もしや、仏の心なるものにでも目覚めたか?」

酒呑「ふ——

ふふ、ふふふ。

ふふふふふふふふふふ!

あははははははははははははははははははははははははは!

ふふ、ふふふふ!

もう、もう!

何を言いはるん茨木!

逆や、逆。逆!」

茨木「逆……?」

酒呑「ふふ。

鬼の裔や呪持ちがぎょうさんいはっても、腑抜けでは務まらへんよって。

一息で死んでまうからねぇ。

そ。

ほんの一息、吹きかけただけで、英霊も人も変わらへん。

ふうっと消えてまう・・・・・。」

酒呑「まあ、こっちの話やさかい。

気にせんとき。」

「お疲れさま、千代女さん。勝ったね!」

千代女「ですがあれが彼女の本気であったのかどうか……

何だか、終始試されていたような気がしてなりませぬ。

しかしもう迷いませぬ。

この身、この心から蛇神への呪が消えぬとしても。

畏れと恐れが渦巻き続けるのだとしても。

拙者の忠義は揺るぎませぬ。

どうか、ご案じめさるな!」

「うん。心配してないよ。これからも、よろしくね」

千代女「はい!

…………ところで拙者、太祖三郎の呪についてはもしかしなくともお館様に話してなかったでござるよね。

まことに申し訳ありませぬ!

まことに!

…………。

今さら言うまでもありませぬが、はい、そういうことなのでございます。

ですので、このように厄介な英霊であるならば契約を切ると申されても、仕方なきことと、拙者は——」

「契約は切らないよ」

「改めて、よろしく!」

千代女「はい!!

誠心誠意お仕えいたします、お館様!」