うちはなーんも悪さしてへんの。真名解放ん時みたく毒にせえへんと、そのまま酒、分けたんやけど——ふふ、こないに元気になって。

幕間の物語(男性鯖)

「お、フォウだ。次からギリギリで飛び込むの禁止ね」

フォウ「フォウゥ…………」

小太郎「ここは……山、ですね。

それもかなり険しい山と見ましたが。

それでも道があるのは有り難い。

下るにせよ、登るにせよ、道の有無は重要ですから。」

「見覚えがある。神々さえ恐れた霊峰ってやつじゃないかな」

マシュ「はい、先輩。

そこは以前にも一度訪れた場所ですね。

女神イシュタルに縁深い霊峰、エビフ山です。

前回は、その……美的センスが壊滅的な……

い、いえ、とても強力な魔像との戦闘がありました。」

金時「今回は出て来ねぇみたいだな?

まあ、来たら来たで大歓迎ってなもンなんだが。」

小太郎「お気を付けください、金時殿。

こと魔像の類といえばあの強力きわまる蹴り込み……

生半なサーヴァントの宝具よりも鋭い一撃です。

あれは本当に危険です。」

金時「まあ、なあ。

とはいえいざ出てきたなら避けて通る訳にもいかねえし——

ん。

ちょっと待て、此処にいたのはその魔像か?」

「もっと残念なコホン面白い魔像だったような」

マシュ「……美を司る女神であるはずなのに、どうしてあんなにも切ない事になってしまったんでしょうね……

あるいは、神代の中でも古い時期になると美的センスが一風変わったものになってしまう、とか……」

フォウ「フォウ、フォゥゥ。」

金時「ん——。

見目ってのはンなに大切なもンか?

オレは実のところ、あんまり気にならねえんだよな。」

小太郎「魔像のような物の怪の見目が、ですか?

それとも……」

金時「魔像だろうが人間だろうが土蜘蛛の類だろうが、まあ、何だろうがさ。

傍からの見目がどれだけ良かろうが。

良い奴もいる。

悪い奴もいる。

強い奴は強いし、弱い奴は弱い。

適当な奴もいりゃあ、真面目な奴もいるだろうさ。

……………見惚れる程に美しいが、恐ろしい奴もいる。」

???「あら、あら。

そないに悪ぅ言うんでもないんやのうて?

こないに愛らしいのに、ねぇ、ふふ。

“しゅめる”の女神様いうんは趣味のよろしい事で。」

金時「……この声!」

マシュ「す、すみません、口止めされていたもので!

そちらにもう一騎サーヴァントがレイシフトしています!

でもまさかこんな……

いえ、敵性反応数体を引き連れて接近中!?

酒呑童子さん!

先輩をお手伝いしたいから、と言っていたのに!」

酒呑「ふふ。

マシュ、そないに言わんと堪忍え?

うちもな、別に悪気があってこうした訳やないんよ。」

小太郎「巨大な魔像が三体、近付いてきます!

そして一体の肩の上に……

あれは、酒呑童子……!」

酒呑「そこに可愛げのあるもんが転がっとったんを見たさかい、ちょっぴりうちの酒を分けてあげたんよ。

うちはなーんも悪さしてへんの。

真名解放ん時みたく毒にせえへんと、そのまま酒、分けたんやけど——

ふふ、こないに元気になって。

見てぇな?

腕も、脚も、体ぜんぶ、どこもかしこもぱんぱんやわぁ。

神さんに縁あるんやったら……

そら、息吹き返したり、力増したりも道理やねぇ。」

小太郎「そうか神便鬼毒酒!

すなわちは神の方便、鬼の毒と云うこころ

い、いやしかし伝承ではあくまで人間の強化!

神性関係の強化なんて話は……!」

金時「——御託はそのあたりでいいぜボーイ。

要はぶっ倒せって話だろ、こりゃ。

美顔だか美肌だか知らねェが、こちとら、山道の先にちいとばかし用があるンでな!

肩慣らしに付き合ってもらうぜ!

おう大将、レイシフト直後のゴールデン・バトルだ!」

「ゴールデン・バトル・スタートォ!!」