見よ、天の神々。私のローマを。いいや——私より続く、ネロのローマを。 美しい。この一瞬の美しさは、すなわち、無限である。

幕間の物語(男性鯖)

マシュ「……誰もいません。

ネロさんは、寝室へ移動したようですね。」

フォウ「フォウっ。」

ロマニ「い、いやあ、凄いな皇帝特権スキルEX!

見事にキミたち、気配遮断っぽいことしてたよ?

しかもロムルス本人だけじゃなくて、マシュや藤丸君まで気配が消えてた。

どういうスキルを使ったんだろう?

ええと、どうかお答え戴けますか——神祖さま。」

マシュ「ロムルスさん?」

ロムルス「……。」

マシュ「あの——」

「ネロが心配?」

マシュ「……そうですね。

ロムルスさんにとって、ネロさんは『子孫』のようなものでしょうから。」

ロムルス「すべてのローマは、我が子である。

ネロ・クラウディウス。

愛しき我が子のひとり。

その小さき体にて、遙かローマのすべてを支えんとする儚き娘よ。

ローマは其処に、愛を見た。

それは神々の愛ではなく、しかして人の愛でもない。

あれこそ……

ローマ皇帝の在るべき愛のかたちのひとつ。

その道行きの先が、たとえ、冥界へと続いていようとも——」

マシュ「……はい。」

ロマニ「うん。

これから数年で皇帝ネロの権勢は崩れ、彼女は臣下だけでなく市民からも支持を失ってしまう。

流石に、本人には言えないことだけど、哀しいかな、歴史ではそういうことになっているんだ。」

ロムルス「あらゆる人があの娘を否定しようとも、あらゆる神があの娘を否定しようとも、構わぬ。

ローマは、あの娘を認めよう。

ネロ・クラウディウスは、良い。

あれは——

実に良きローマ皇帝・・・・・である。

故に、疾く去るが良い。

我が神威に惹かれて集いし『皇帝』たちよ。」

マシュ「え——

いま、何と?

彼女の様子を見に来ただけではないのですか?」

ロマニ「待った。何かいるぞ——

ひどく高い魔力反応、でもサーヴァント反応と違う!

もっと朧気な存在だ。

ゴースト系の怪物か?

自然発生するにしては魔力が高すぎる!」

ロムルス「アウグストゥス——!

ティベリウス、クラウディウス!

おお、トラヤヌス! 

ハドリアヌス、セウェルス!」

マシュ「古代ローマ帝国、歴代皇帝の名前……?」

ロマニ「そうか、なるほど!

そこに出現しかけてるのは『皇帝』たちの亡霊か!

神祖ロムルスの存在に惹き付けられて、連鎖して召喚されかけていた『皇帝』たちだよ!」

フォウ「フォーウ!」

マシュ「ひどく敵意ある魔力を感じます。

先輩、戦闘になります!」

「戦闘態勢だ!」

マシュ「はい、マスター!

戦闘指示をお願いします!」

ロムルス「当世より過去の皇帝たちよ!

当世より未来の皇帝たちよ!

お前たちは去るがいい!

お前たちはローマではあるが、当世はネロの時代!

仮初めの連合は既にない!

故に、おお、虚ろに集いし我が子たちよ!

——我が槍を見よ!

ローマの持つ槍こそ、ローマである。

故に、お前たちは——

槍を通じてローマへと還るがいい。

おお、おお、マグナ・ウォルイッセ・マグヌム!!

(戦闘後)

マシュ「戦闘終了です。

敵性体、すべて撃破しました。」

ロムルス「……ローマは潰えぬ。

たとえ、歴代ローマ皇帝の悉くが地に這おうとも。

過去、現在、未来、ローマは輝き続けよう。

ローマにはそれが見えるのだ。

見よ、天の神々。

ローマのローマを。いいや——

ローマより続く、ネロのローマを。

美しい。

この一瞬の美しさは、すなわち、無限である。」

マシュ「…………はい。」

ロマニ「理解できるようなできないような、ううん、つまり彼はどういうことを言ってるんだろうね??」

「ローマだよ」

マシュ「……そう、ですね。先輩。」

ロマニ「えっ。

いや。いやいや、今、マシュ考えるのやめたよね?

あと藤丸君さっきから何か——」

ロムルス「ローマ……。」

「ローマ……。」

マシュ「はい。ローマ、ですね。

何となく——わたしもわかってきました。」

フォウ「フォーウ。」

ロマニ「いやいやいや! 待って!

ボクよく分かってないんだけど、ええと!?」

マシュ「ドクター。

歴史がどうあっても、少なくとも、今この時のネロさんは輝いていますよね。

だから、それでいい。

そういうことを……彼は言っているように思います。」

ロマニ「あ、そういう……こと……?」

ロムルス「ローマ……。」

フォウ「フォーウ……。」

ローマ兵「こちらです、セネカさま!

先ほどから玉座の間で何やら異様な気配が漂い!!」

セネカ「陛下の寝所の守りを固めて下さい。

それから、兵四名、私と共に玉座へ!」

ローマ兵「はっ!!」

ロマニ「おっといけない、見付かりそうだ!

それじゃあ強制レイシフトで逃げるとしよう!!」

「ローマ!」

マシュ「はい、先輩! ローマ!」

フォウ「フォーウ!」