「対話は望めない、か。まさにあちらの彼女は炎そのものだ」「取り戻します。あれは、外に出してはいけないモノです」

幕間の物語(女性鯖)

???「私、ずっと待っていました。

この日が来るのを。

この時が現実となる事を。

……現実?

ふふ。ふふふ、あは、あはははははは!

現実って何でしょうね、これは私の記録領域のごく一部!

そしてマスターシグルド、あなたの夢でもある!

それなら別に気にしません、夢なら夢でも構わない!」

切り離された炎「私は知っている。

私は知っている!

たとえ夢の中であれ、我が槍は愛する者へと死を贈る!

英雄であろうと!

世界を救う程の猛者であろうと、あのひとであろうと!

私の愛からは逃れられない……

私、私、私!

私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私!

この、私のォ!!

私とあなたがいるのなら、そこはいつだって愛の営みころしあいの場所。

そう決まっているの!

…………だって、私が、シグルドを殺したんですもの。」

「すっかりシグルド判定されている気がする——」

アーサー「対話は望めない、か。

まさにあちらの彼女は炎そのものだ。」

ブリュンヒルデ「……取り戻します。

あれは、外に出してはいけないモノです。

マスター。

お力を、貸していただけますか。」

「当然!」

ブリュンヒルデ「ありがとうございます。

私、自らの炎を回収しますね。」

アーサー「良いマスターだ。

ならば、僕も剣を振るうとしよう。」

切り離された炎「え? え? え? 

なあに?

あなたたち、シグルドを私に渡してくれないつもり?

駄目。駄目。駄目。

駄目駄目駄目駄目駄目駄目!

私に返して! 私にちょうだい!

あなたシグルドの事は私が殺すの?

父が! 大神が!

人々の間で積み重ねられ続けた伝説がそう決めた!

そして私は……

今も、あなたを殺したあの日を覚えてる。シグルド。

さあ——

いっしょに燃えて、灰になりましょう?」

(戦闘後)

切り離された炎「あ。

あ、ぁアアア————」

ブリュンヒルデ「…………。

炎が、私の中へ戻っていくのが分かります。

離れてください。マスター。

先ほどの、あれとそっくり同じ言動のままに、この私が襲い掛かってしまう可能性も……あります。

だから。少し、離れて。」

「大丈夫。信じてる」

ブリュンヒルデ「………………………………。

大丈夫なようだね。

ランサー。やはり君のマスターは大したものだ。」

ブリュンヒルデ「はい。」

アーサー「……ああ。

さて、これで僕も目が覚めそうだ。

すぐに夢は終わり、君も現実へ戻って目覚めるだろう。

此処での出来事のうち、どのくらいを君が覚えているかは分からないが……

ランサー。

何か、言っておきたい事はないかな。」

ブリュンヒルデ「いいえ、セイバー。

私の記録の優しい影。

私は何も言いません。

ただ、いつもと同じように心より願うのみです。

マスター。藤丸。

次に現実として出会った時に、私が……

あなたの事をあいさないように。

あなたの命を貫いて、抉って、無惨なくらい引き裂いて、燃やしてしまわないように、と。

願うばかりです。

そう、私は————」

私は。あなたのお役に立ちたいのです。

戦乙女であったモノ、英雄を愛し育てたモノとして。

世界を救う勇者に寄り添いたい。

けれど。けれど。

私のあいは、あなたとシグルドをまぜこぜにしてしまい。

いつかきっと吹き出してしまう。

だから……

私は、今日も。明日も。

その次の日も、ずっと。

——私は、氷でなくてはならない。